広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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スポーツ応援談― SPORTS TALK―

2021年4月29日号
生協ひろしま / 恵木 尚 理事長(恵木尚法律事務所代表)

太平洋戦争の終戦は4歳の時。おもちゃなどなく、布に糸を巻いて作ったボールとバット代わりの棒きれで野球ごっこをして遊んだ。小学3年だった1950年に球団が設立され、当然のごとく応援するように。地元の音戸町からバスで呉市二河野球場(現鶴岡一人記念球場)の試合に足を運んだ。
 当時のカープは大赤字で、シーズン終わりに監督・選手が県内の映画館を回ってカンパ集めをしていた。私も「カープ存続のために」とラムネを我慢し、たる募金に小遣いを入れたものだ。存続もままならない時代を知っているからこそ、思い入れは人一倍強い。弁護士になって数年目に念願の年間指定席を購入。以来、ここぞという試合は必ず球場に行き、ワインやビールを楽しみながら観戦している。
 弁護士5年目の時にカープが初優勝。仕事を放り出してテレビにかじりつき、戦況を見守った。優勝が決まった時間の1975年10月15日5時18分は今でも暗唱できる。巨人・西本聖のデッドボールに倒れた翌日にグラウンドに戻り、連続出場の記録を作った衣笠が当時のカープの原動力だったように思う。印象に残っているのは2回目の優勝後、選手・監督が球場内を一周した時の一幕。けがをして前線を外れ、後ろの目立たない場所を歩いていた外木場義郎を衣笠が前に連れてきてフラッグを持たせた。間近で見ていた私は「なんと気遣いのできる人だ」と感じ入った。
 今季、優勝するにはベテランの頑張りに若手が食らいついていく必要がある。森下ら若手に期待している。

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