広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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スポーツ応援談― SPORTS TALK―

2022年1月6日号
広島電鉄 / 椋田 昌夫 社長

子どもの頃から約70年のベテランカープファン。小学生時代は月500円のお小遣いをすべて、たる募金に入れたことが懐かしい。1975年の初優勝の瞬間は、札幌に新婚旅行中。その夜にホテルで号外を見ながら涙を浮かべる私を見て、妻は「結婚式でも泣かなかったのに」とあきれていました。妻に贈った指輪に刻まれた日付は、かけがえのない二つの出来事をいつも思い出させてくれます。
 最も印象深い試合は、2018年7月20日にマツダスタジアムで見た巨人戦です。優勝争い中の相手との直接対決は8回が終わって8−8と大接戦。しかし9回表にホームランを打たれ、8−9と一気にピンチを迎えました。その裏、点が取れぬまま2アウト1塁の場面で打者は途中出場の下水流選手。打った球はライトスタンドに消え、一瞬場内が静まり返りました。ファールかなと思った次の瞬間、球場は特大の歓声に包まれ、そこでようやく逆転のサヨナラ2ランホームランだと判明。あれほど手に汗握る、互角の展開から劇的な勝利を収めた試合はありません。あの勝利がリーグ3連覇に導いたと思っています。
 当社は旧市民球場時代から福利厚生で、不定休の乗務員などが家族と観戦できるよう毎年およそ1000人に弁当を持たせて球場へ送り出してきました。昨年はコロナ禍でできておらず、私自身もなかなか球場に足を運べていません。広島県民は大人も子どももみんなが監督であり、コーチだと思っています。球場で声援を飛ばし、皆がそれぞれの〝おらがカープ〟を語りながら観戦できる日が待ち遠しい。

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