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リーダー論「プロ=組織人」の哲学 目標達成へ役割を徹底
広島ドラゴンフライズ
浦 伸嘉 社長
国内最高峰のB1リーグに所属するプロバスケットボールチームを運営。リーグ優勝を目指す一方、大規模再編後の新リーグへの参入に向け売り上げ、入場者数、アリーナの3条件をクリアしなければならない。目標達成へ、クラブをまとめるための組織論について聞いた。
-新リーグ参入への進ちょくはいかがですか。Bリーグは、売り上げ規模などでNBAに次ぐ世界2位を目指し、2026年に新B1リーグを発足させます。参入基準は平均入場者4000人、売上高12億円、一定要件を満たすアリーナ整備の3項目。当社は24年10月の初回審査までに達成し、初 年度からの参入を目指します。22年6月期に売上高は達成しましたが、平均入場者数は3000人強、アリーナは未定という状態です。
-入場者を増やす工夫は。観戦・応援したいと思われる「クラブの価値」を高めることが必要と考えています。そのために勝利はもちろん、支えてくれる地元への貢献も重要。昨年7月には、カープやサンフレなどの選手も巻き込んで折り鶴と平和へのメッセージをつなぐ「おりづるリレー」を実施。社長に就任した16年から「広島に、バスケでつながる風景を。」を掲げ、クラブ一丸で取り組んでいます。
-アリーナ構想の現状を教えてください。新たにチーム専用のアリーナを民間で造ることがベストだと考えています。新B1発足の目的には、地域貢献の活性化も含まれています。アリーナの新設で、試合以外の日にイベントやコンサート開催でにぎわいを創出できる。さらに施設運営の収益を元手として、クラブ運営だけでなく新たな事業投資なども可能になります。とはいえ、審査の期日が迫っており、予算や立地条件など、ほかにも課題は山積しています。グリーンアリーナを活用するなどさまざまなパターンを検討しており、その場合は県民への理解も必要となる。今年10月までには結論を出し、初回審査に臨める状態を目指します。
-今季のチーム成績は好調です。3月16日現在で、西地区3位とプレーオフ進出の射程圏内。選手たちは優勝に向けて頑張ってくれています。バスケは団体競技で、それぞれが自分の役割に徹しなければ勝てません。私は「プロフェッショナル=組織人」だと思います。個人で限界があることを、組織として各自が与えられた役割を全うすること。選手たちは今、チームという組織の中で、個々がプロとして自分の役割を全うしており、組織力が高まっている。それが成績に反映されているのではないかと思います。
-組織力を高める方法は。全体の高い目標を設定した上で、それを細分化し、各自の役割ごとに小さな課題をクリアしていくことが大切だと思います。選手の場合は優勝という目標を、各試合の勝利に細分化し、守りが得意な選手は目の前の相手のシュートを一本防ぐことに専念する。もちろんそれだけでは勝てないが、組織には他にシュートやパスがうまい人など、それぞれが自分の仕事をすることで勝利に近づきます。同様に会社組織でも、細分化すれば入社したての新人でも目標に貢献できるはずです。新B1参入という目標に対して、大きな声でのあいさつや、メールは必ず自分が返して終わるなど、当たり前のことを着実にこなすことで周りに好印象を与える。それが新たなファン獲得につながり、入場者数増加の一因になるかもしれない。任されている小さな積み重ねが組織全体の実績となり、大きな成果につながると考えます。
-組織での社長の役割は。正しい情報を収集・判断して経営に生かすことだと思っています。創業から約5年間社長と兼務した、人事やチーム方針策定などを担うゼネラルマネジャー(GM)を21年3月に退任。設立時は経営知識のある適任者がおらず、兼任によって円滑に意思決定できるメリットもありました。しかし、GMとして選手の契約金を上げたいが、社長として予算を切り詰めたいなど逆の立場を兼ねることがありました。役割を果たせないと感じた時に、選手・スタッフとしてクラブ在籍経験があり、経営学修士課程で学んでいた岡崎現GMに交代。今は経営の根幹となる事業に時間を割けています。同じように適正な経営判断ができなくなったり、自分より適任な人材が現れたら、潔く退くのも社長の役割。しかし、優勝や新B1参入など達成しなければならないことは多い。組織の一員として社長の役割を全うしつつ、今季のチームスローガン「頂」を目指してまい進します。
プロフィール浦 伸嘉(うら のぶよし)1980年10月1日生まれ、広島市出身。美鈴が丘高校、大阪商業大学を卒業後、新潟アルビレックスBBなどでプレー。2007年に引退し、16年から現職。
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リーダー論率先垂範で組織引っ張る 公器として社会貢献も(サンフレッチェ広島 仙田 信吾 社長)
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リーダー論「プロ=組織人」の哲学 目標達成へ役割を徹底(広島ドラゴンフライズ 浦 伸嘉 社長)
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リーダー論監督と社長の両輪回す 異なる役割で一つの目標へ(ヴィクトワール広島 中山 卓士 監督兼社長)
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