ベテランと若手をつなぐ チーム導く中堅の役割担う

広島東洋カープ

内野手 堂林 翔太 選手
広島のプロスポーツを応援!!【カープ&サンフレッチェ特集】|広島経済レポート

 「鯉のプリンス」と呼ばれた堂林翔太選手も、中堅としてチームのまとめ役を担う立場になった。自身の足跡を振り返りながら、昨年の印象に残った場面や今季の意気込み、若手の成長への思いを聞いた。

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広島東洋カープ / 堂林 翔太 選手

-昨年は代打で打率3割超えの活躍でした。7月17日の対巨人戦では満塁ホームランを打ち、同じ中京大中京高校(愛知)出身の中村健人選手と磯村嘉孝選手も本塁打を放ちました。

 この代打満塁ホームランはすごく印象に残っています。みんながつくってくれたチャンスでしたので、無駄にできないというプレッシャーがありました。

-カットボールを強振されました。

 ストレート狙いで待っていました。打った時の感触も鮮明に覚えています。真っすぐよりも遅いカットボールが曲がり切らず、そのまま前でうまく引っかかって捉えたという感じです。

-同窓メンバーが大活躍でした。

 さすがに興奮しましたね。同じ高校の出身選手が、同じ日にそろって打つこともなかなかないので。

 堂林選手は高校3年生時の夏の甲子園大会決勝戦で貴重な経験をした。6点リードの9回に直訴して登板したものの、追い上げる日本文理高校(新潟)打線につかまり、ライトの守備に退いた。チームに申し訳ないという思いからか、優勝後の「涙のインタビュー」は話題となった。

-高校3年時の甲子園で、1点差で逃げ切った時の心境は。

 9回に入る時に「卒業後はピッチャーをしないだろう」と思っていたので、監督に「最後はマウンドに立たせてください」と懇願しました。最初は断られましたが、その後に「キャッチボールしてこい」と言われ、送り出してもらいました。
 ツーアウトまで簡単に奪えたのに、1点差にしてしまったことへの申し訳なさというか、いろんな感情がありましたね。本当に負けるのではないかと。その後、ライトの守備に就きましたが、グラウンドの外で試合を見ているような、不思議な感覚でした。この経験から「自ら発する言葉には責任が伴う」ことを学びました。

チームの方向性と若手育成
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サードにこだわっている場合ではない。まずは打撃でアピールしていく

-若手に助言する立場でもあります。

 成績を残さないと、若い選手たちは付いてきません。ただ、「気になることはガツガツ聞きに行け」と若い頃から言われてきたので、意見を求められたら答えますが、僕からアドバイスはしません。分からないことを自発的に聞くことで、成長につながると思うので。

-若手の多い今のチームに必要なことは何ですか。

 新井監督がよく口にする「バランス」が本当に大切だと思います。若い選手だけでも、ベテラン選手だけでも駄目。若手とベテランの間にいる僕や野間、磯村が、双方とコミュニケーションを取ることが重要だと思います。

-年齢的に若手ではなくなりましたね。

 30代前半となり、チーム内ではかなり年上だと感じています。ベテラン、中堅、若手の全選手が同じ方向に進まないと良い結果につながりません。もし、違う方向を見ている若手がいたら指摘することも必要だと思います。

-今シーズンの意気込みとメッセージをお願いします。

 僕は決してレギュラーではないので、キャンプでアピールするために自主トレからしっかりと体をつくってきました。また課題のあるスローイングに関しては、秋のキャンプから小窪コーチと共に取り組み、手応えを感じています。
 もちろんサード(の定位置奪取)もチャンスがあれば狙いますが、そこにこだわっている場合じゃない。チームが困った時に、あらゆるポジションで出るという役割も必要だと思います。
 まずは打撃で首脳陣にアピールすること。今はスイングの無駄を省いて、構えた時点で打ちにいけるように取り組んでいます。ぜひ、熱い声援をお願いします。

プロフィール堂林 翔太(どうばやし しょうた)1991年8月17日生まれ、愛知県出身。内野手、右投・右打。中京大中京高校時代には現カープの磯村嘉孝捕手とバッテリーを組んだ。2009年、ドラフト2位でカープ入団。

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