広島で最大規模の新たなタクシー共同配車サービスが5月1日に始まる。これまで客からの電話で配車依頼を受ける業務は各社が個別に行っていたが、空き車両がない場合、何度も別の会社に電話させてしまうことがある。各社の窓口と配車指示を一元化することで稼働車両の不足を防ぎ、一度の電話で完了しやすくする狙い。
地場大手のカープタクシーグループと宝塚タクシーグループの計5社約280台でスタート。サービス名は「Notte!(ノッテ)」で、各車の屋上灯の隣に専用灯=ロゴ=を付けて視認性を高める。順次、ドアにもサービス名を掲示する。南区大州1―9―5に共同無線室を置き、受け付けは(電)082―287―0011に統合。電話で迎車先を聞き、GPSで最寄りの車両を見つけて各車両のタブレット端末に地図情報を自動配信する仕組み。従来の番号も共同無線室につながる。迎車料金200円、時間指定予約300円。マル協チケットを利用可。
業界は人手不足や人件費の面で小規模企業が配車係を確保しづらくなり、同業務の維持が共通課題だ。共同化は人的資源の効果的な運用を図れる。流し営業だと客は目の前に来た車を呼び止めるため、リピーター獲得戦略には配車が有効な一手となる。若い層を中心に配車アプリが普及する一方、複数車両の手配などは配車係に質問しやすく、スマホに不慣れな高齢者含め電話を支持する層も多い。ニーズをフォローしていく。
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貝好きが集まるカウンター6席のすし店。注文を受けて殻を割るため鮮度は抜群。歯ごたえの良さや、種類ごとに異なる香りも楽しめる。春は年間を通じて種類が最も豊富な季節で、常時13種類ほどを扱う。
「仕込みの時に殻は割っておくのが通常。直前に割ると手間はかかるが、最高の状態で貝を楽しんでもらえる。貝専門を掲げる店でも、これだけの品数と鮮度を保つのは珍しいと思う」
流通量の少ないオオミゾ貝や北海道産の特大ホタテ貝「潤帆(じゅんほ)」などが旬を迎える。殻で流通しにくいトリ貝も5月から仕入れが始まる。ホタテは薄切りせずに提供するなど食べ応えにもこだわる。常連からは〝貝を食らう〟と評されるほどだ。
「まずその見た目の豪快さに驚かれることも多い。北海道や日本海側などの生産者を直接訪ね歩き、仕入れルートを開拓してきて今がある。首都圏を含めた県外からの常連客も多い」
4月から、午後3時以降は要望の多かったアルコールの提供を始めた。
前会長で一昨年に亡くなった父は広陵高で甲子園に出場した経験があり、私も小学生の頃から野球に打ち込みました。当時、カープで憧れていたのは俊足が武器の高橋慶彦選手です。ひたむきにグラウンドを駆ける姿が本当にかっこよかった。あやかって同じ背番号2を付けたほか、スイッチヒッターに挑戦した思い出があります。高橋選手が晩年、ロッテにトレード移籍した際は、中国新聞の企画で惜別メッセージを送ったことも。その紙面は現在も母が保管しています。
一押しの選手が不在の数年間を経て、次に心を奪われたのは1歳下の前田智徳選手です。一切の妥協を許さないスタイルは、とにかくすごい。特に印象的なのは1992年の巨人戦で、試合中盤に守備でミスを犯して同点に追い付かれた後。終盤に決勝ホームランを放ったのですが笑顔は全くなく、悔し涙を流していたのです。20歳過ぎで、こんなに自分を厳しく律しているのかと驚かされました。社長に就いた今も見習って、そうした姿勢を社員に見せられるよう意識していますし、休日に興じる草野球では同じ1番を背負っています。
福岡県で大学生活を送った影響で、実はパ・リーグではホークスを応援。2018年の日本シリーズでカープと対戦したのがうれしく、両軍のユニホームを持って現地観戦していました。またこの組み合わせが実現してほしい。もちろん、次こそはカープが日本一に輝くことを期待しています。
その時の、市の着眼に間違いはなかった。昭和時代に17年をかけた「西部開発事業」は1966年に庚午、草津、井口沖の海面埋立事業に着手し、82年に竣工。過密化する都心の再開発や交通渋滞の緩和、流通機能高度化を目的に事業費1056億円を投じ、総面積328ヘクタールを造成した。
埋立竣工後、地区内の事業所数と従業員数は大きく増えた。2021年には事業所数856、従業員数1万9328人(事業所統計より)。西日本有数の流通団地へと発展を遂げる。
地元卸を中心に組合員203社を擁する(協)広島総合卸センター(伊藤学人理事長)が今年12月で創立50周年を迎える。国の高度化資金を導入する集団化事業で団地づくりを引っ張ってきた。竣工から40年余。施設老朽化が進み、16年に「卸団地の将来に向けての提言書」を市へ提出。10年間にわたる議論を重ね、ようやく3月に市が「商工センター地区まちづくりビジョン」をつくった。
団地中心部の広島サンプラザ(経過年数39年)、市中小企業会館(同45年)と総合展示館(同44年)などの主要施設を改修して再配置する。広島の「西の玄関口」として「MICE(マイス)」施設を新設するほか、陸と海の玄関を備える交通機能の強化、国内外から観光客を呼び込む、にぎわい創出の三本柱を建て、一体的な街づくりを目指す。
まず、耐震性が確保されていない中小企業会館・総合展示館の移転更新のため「MICE施設」(展示室約6000㎡と会議室約800㎡)を第五公園へ整備し、その後に展示館解体。同公園を改修。中央卸売市場に併設するにぎわい施設の整備と歩調を合わせて進め、おおむね10年以内に整備する。展示室、会議室規模は需要調査を踏まえて算出。今後の需要に応じながらMICE施設の拡張を検討する。
次に、MICE施設による民間投資誘発などを踏まえ、ホテルなどが整備されるタイミングで中小企業会館・本館を解体。「ホテル」などの整備後に広島サンプラザ(本館)を解体。おおむね15年以内の整備を見込む。
地区内の事業者や住民が日常的に交流する「アクティブセンター」などを一体的に整備。ペデストリアンデッキは駅からMICE施設→ホテル→草津漁港へ延伸する。
市が進める広島型の新たな公共交通システム構築の動きと歩調を合わせながらヒトやモノの動きを支える交通機能づくりに取り組む。地区内の多様な交通モードの利用や地区外施設とのアクセス、飲食店や宿泊地などを含めたシームレスな移動を実現するMaaSの取り組みを推進。自動運転や超小型モビリティ、「空飛ぶクルマ」などの新技術を活用した交通DX・GXについても関係者と連携しながら将来的な課題に挙げる。
草津漁港へ観光船を誘致して海からのアクセスを確保しにぎわい創出につなげる狙いだ。まずは宮島や原爆ドームなどを結ぶ社会実験に取り組み、次に不定期観光船の運航によって周辺観光地とのネットワーク拡大を図る。来街者向けの飲食・物販施設などが立地できるようAゾーンの規制緩和を必要に応じて段階的に取り組むとしている。
時代が移り、比較はできないが、17年で1056億円を投じた西部開発事業。完成から40年余が過ぎた。官民一体で知恵を絞り、商工センター地区が一層元気になる仕掛けを講じてもらいたい。