広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
広島経済大学を卒業後、関西のホテルなどで計12年経験を積んだ岡原友祐代表が2018年、可部駅東口前に開いた日本酒バル。客の好みに応じておすすめの3種を出す「呑みくらべセット」(1000円)や日替わりの料理盛り合わせ(3種1000円〜)などが人気を集める。
「全国の酒蔵に足を運んで仕入れる豊富なラインアップが自慢で、初めての味に出会えると好評です。希少な25年物の熟成酒や日本酒カクテルなども用意。お酒で〝遊ぶ〟ぜいたくな時間を提供したい」
祖父が安芸高田市で猟や漁、稲作を営み、幼いころにおいしいものをたくさん食べたことで食に興味を持ったという。自身が収穫した山菜のほか川魚、イノシシなどの地元食材も活用する。
「可部の経営者が集まり、イベント実施などを通して地域振興を目指す『噂通りの会』のメンバーとしても活動。街全体を盛り上げ、出店事業者が増えればうれしい」
グランドプリンスホテル広島22階で洋食を提供している。9月の第31回プリンスホテル料理コンクールで、大城美咲さんが西洋料理部門で優勝。広島の同ホテル開業以来2人目の受賞となった。大城さんは広島酔心調理製菓専門学校を卒業し、2014年に入社。2度の産休を経て職場復帰し、コンクールに挑戦した。
「料理人を志した動機の一つに、世界には飢えに苦しむ国があるにもかかわらず、日本のフードロスが多いことへの疑問がありました」
SDGs、地産地消、健康をテーマに、〝廣島赤鶏のガランティーヌ大長みかんソース 広島山海の幸と共に〜1日分の野菜プレート〜〟を考案。地元食材をまるごと使い、栄養面を考えた構成にした。例えば、キッシュには観音ねぎの青い部分と白い部分をそれぞれの調理法で、パセリの茎やセロリの葉も肉の下味付けにするなど、食材を余すことなく使用した。ほうれん草は、茹でるよりもバターで炒めたものをキッシュに混ぜることで、栄養の吸収率を高めた。同メニューは12月26日まで土休日ランチ限定で販売する。
「今回の優勝で後輩の女性料理人にキャリアをあきらめない大切さを伝えたい」
広島で珍しいしゃぶしゃぶメインの牛タン専門店。高たんぱく低カロリーな牛タンの余分な脂を落とし、ボリュームがあるのにヘルシーに食べられる。肉は臭みの少ないアメリカ産で、ミリ単位で厚さにこだわる。長野淳一オーナーは、
「女性を中心に、幅広い年齢のお客さんが来店する。全席個室で換気も万全と、徹底したコロナ対策で安心して飲食を楽しめる空間を提供する」
基本メニューは前菜、厚切り牛タン炙あぶり、しゃぶしゃぶ、デザートなどで6000円。飲み放題に加え、牛タンの炙り刺しやローストビーフなどを加えたプランも用意。飲み放題は地元の日本酒やクラフトビールなど約20種類を取り扱う。忘年会や歓送迎会には全個室を開放して対応し、ケーキや花束も別途有料で用意する。前日までの予約が必要。
「8月に徒歩5分の場所に牛タンラーメンの衝青天を開いた。これからの季節、タンしゃぶ亭で忘年会をした後にシメのラーメンまでセットで楽しんでほしい」
地場の大手クラブに勤めた佐々木寿代表と久保弘孝副代表が独立し、11月1日にオープンした。カウンターとボックスの計30席のラウンジ。佐々木代表は、
「オープンに際して同業や飲食店の皆さんから、想定以上の数のお祝いを頂きました。コロナ禍の開業に不安はありますが、初日から多くのお客さまに足を運んでいただき、ありがたい」
店名は、店に関わる全ての人と助け合いながら、自分たちらしく歩んでいこうと名付けた。
「女性が楽しくないと、お客さまにも楽しんでいただけません。彼女たちの働く環境をしっかりと整える一方、表情や細かい所作、立ち振る舞いなどの指導・教育に力を入れます」
コロナ前には到底及ばないが、流川・薬研堀地区の人出は戻りつつある。久保副代表は、
「お客さまの笑顔を見ると、私たちも元気が出ます。来て良かった、また来たいと言っていただける店を目指します」
SNS運用のポテン(中区紙屋町)が3月に開いたスープカレー店。アサリやホタテなどの魚介と国産牛を5時間かけて低温でじっくりと煮込んだブイヨンに、十数種類の香辛料や、あめ色になるまで炒めたタマネギ、しょうゆを加えた和風テイストが特徴。奥山穂菜美店長は、
「『毎日食べても飽きない』がコンセプト。その日の気分に合わせてカレーをカスタマイズして楽しめるよう、ビーフやシーフード、きのこなど、さまざまなトッピングを用意しています。魚介だしを利かせているので、二日酔いの人にもお勧めです」
カレーに合うようブレンドしたコーヒーも好評という。午後6時からは4種類のクラフトビールやスパイス料理が楽しめる居酒屋営業とする。
「特別感を味わってもらえる店づくりを目指し、『良い1日を』と声を掛けてお見送りします。ありがたいことに毎日のように通ってくださる方も。おいしい食事と明るい接客でファンを増やしたい」
国内外250種類以上をそろえるジン専門のバー。日本酒・千福の三宅本店(呉市)が造る「クラフトジン瀬戸内 檸檬」を監修した。信家崇史代表は、
「ジンといえば海外メーカーの数銘柄が有名ですが、2000年ごろから独自の風味を加えたクラフトジンが登場し、近年の世界的な流行につながりました。続々登場する個性豊かなジンに出合ってほしい」
ジンにはまって各地の酒場を訪ね歩いた後、19年に開店した。定番のロックやストレート、ソーダ割りのほか、最近のジンで新たな風味に仕立てたギムレットやホワイトレディーといったスタンダード・カクテル、旬の果物を加えたカクテルなどを提供する。店でスパイスや植物などを漬け込んで作るオリジナルジントニックもある。1杯1000円程度〜、チャージ料なし。
「老若男女それぞれにきっと気に入っていただけるメニューがあるので、気軽に飲みに立ち寄ってください」
10月15日に流川から移転オープンした創業18年のジャズピアノバー。下本滋マスターによる毎日のピアノ演奏に加え、不定期でゲストミュージシャンによるライブも開催。チャージ料金は通常で男性2500円、女性2000円。ライブ時は出演ゲストなどにより変動する。下本マスターは、
「音楽バーは若者や初心者に敷居が高いと思われがちだが、当店はお酒を飲みながら気軽に生の音楽に触れられるバーがコンセプト。来店をきっかけに同様のバーに興味を持ってほしい」
アルコールはウイスキーやカクテルなど約20種類を700〜1500円で提供。ウイスキーだけで11種類用意する。ソフトドリンクも約10種類を500円から用意しており、スタッフがその場で点てた抹茶も味わえる。リニューアルに際してグランドピアノや録音機材を新調し、レコーディングの受け付けも始めた。音源の価格は応相談。
すし店「すし亭」を営むひのき(西区)が5月、紙屋町店を新業態に刷新。握り、刺身、天ぷら、酒などほとんどを390円(税別)以下で提供する。和食の料理人だった父の影響で入社し、各すし亭店長などを経験した津間友治店長は、
「すし亭同様、水揚げ当日の新鮮な魚介類を仕入れる。魚によって管理方法を変え、氷の中で寝かせたり、塩を振って熟成させたり、ベストな状態でお出しできるよう工夫している」
「にぎり盛合せ」やランチ限定の「海鮮丼」(500円、吸い物付き)が近隣会社員や買い物客に人気。今後、若年層の来店を一層増やしたいとする。コロナ収束後に、毎月のマグロ解体実演の再開を計画。
「コロナ休業中、アルバイトも対象に、接遇を学ぶロールプレーイング研修を行った。ありがたいことに特定のスタッフの接客を気に入り、通ってくださる方も。今後もお客さまとの会話を大切にしたい」
ブックカフェのりんご堂(中区小網町1-9あおば園1階)の2号店で、10月1日にバー併設の本屋としてオープンした。〝レトロでかわいい喫茶店のようなバー〟をコンセプトに、お酒やコーヒーを飲みながら本を楽しめる。野崎泰弘さん・あかりさん夫妻は、
「当店のような形態は広島でも珍しい。くつろぎながら本を読んでもらい、お客さん同士で好きな本や作家について語り合う場としても利用してほしい」
飲み物はウイスキーを1杯600〜1500円で20種類、自ら焙煎したコーヒーなどノンアルコールが15種類。600円でケーキも提供。本は新刊から中古まで全て購入でき、絵本や小説、料理本などをあかりさんが選び、仕入れる。
「約200冊とあえて取り扱い冊数を少なくすることで、あまり本屋で手に取らないジャンルを読んでもらえるようにしている。新しい本や作家と出会い、楽しみ、共有できる空間を目指す」
重厚でシックな雰囲気の会員制ラウンジ。10月7日に12周年を迎える。五十棲加奈ママは、
「連日の報道で不安な毎日を過ごされていることと思います。その中でたくさんのご心配のお声をかけていただき本当にうれしい。昨年から続くコロナ禍の脅威の中で、流川も元気がなく、疲労の色が濃い飲食業界。この日を迎えることができたのはお客さまのご愛顧があったからこそ。感謝の気持ちでいっぱいです」
カウンターとボックスに加え、個室も用意。
「人生でこんなになってしまうなんて。一番悲しいのは、愛しいお客さまへの送別ができないこと。そしてただただ皆さんに会うことさえかなわないことです。新たな生活様式に変わっていく世の中についていけなくなり、自分との戦いではありますが、この影響をマイナス面だけで捉えず、水と緑の町広島で、もう少しお仕事させてもらおうと思っています。一日も早くコロナ禍が収束し、平穏な日々が戻りますように。心の底から『乾杯』ができることを楽しみにしております」
広島電鉄本通駅から徒歩1分に立地し、ビジネスマンからファミリーまで幅広い客層に親しまれる。RCCテレビ番組「イマナマ!」の料理コーナーに10年以上レギュラー出演する代康徳オーナーが、肩肘張らず気軽に来店できる中国料理店を目指して2016年にオープンした。
「特別な食材でなくても技術でおいしくするのが中国料理の基本です。看板メニューは熟成1年のトウバンジャンとサンショウを使ってより本場に近い味を再現した『陳マーボー豆腐』です。食べて自然と頬が緩むようなおいしい料理を提供していきたい」
広島市出身で東京理科大学を卒業後、そごう広島で父が経営していた旧広島四川飯店に入社。31歳で中国・四川省に渡り、約2年間本場で中国料理を学んだ。マーボー豆腐やエビチリ、八宝菜などのメイン料理と小鉢、サラダ、おかわり自由のご飯とスープ、漬物、あんにん豆腐のランチセット(880円〜)が人気という。
交流施設CLiP HIROSHIMA2階で、ランチや軽食、夜は本格的なコース料理を提供する。厨房を率いる吉川忠義さんは、
「県産食材にこだわったメニュー提供に力を入れています。その日仕入れた食材に合わせて調理し、ときにメニューにない料理を作ることも。幅広い層に受け入れられる店に育てたい」
和・洋食店、フレンチレストランなどで約20年の調理歴を持つ。メニュー開発を強化しており、1日5食限定で提供を始めたトマトラーメンは豚骨スープとホールトマトを煮込み、クリームで仕上げる。くせになるとリピーターが増え、売り切れる日は多い。キッチンカー導入やビアガーデンなどの新たな試みも進める。
米カリフォルニア州の「ケンゾー・エステート」のワインを提供する県内でも珍しい店舗だ。
「ランチはにぎわいますが、ディナーのお客さまをもっと増やしたい。当店を経営する広島トヨペット古谷社長とは、いずれ銀座やニューヨークに出店したいと夢を語っています」