広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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コラム― COLUMN ―

2020年7月9日号
人、企業の免疫力

トランプ大統領はなかなかマスクを着けない。安倍首相のマスクは小さいと話題になった。米国ではマスクの着用をめぐって騒動になり、日本では夏になっても多くの人がマスクを着け、黙々と街中を歩く。ふと、日米同盟は大丈夫かと不安がかすめる。
 新型コロナウイルス感染拡大により、広島でもさまざまな分野に影響が広がった。県内大学生から当社宛てに、
「来春卒業を控え、合同企業説明会が全て中止になった。なかなか企業情報が入手できなくなり、困っている」
 と相談メールが入った。企業との接点を求める学生や、学生との出会いの場を求める企業に対し、何か役立つことができないだろうか。初めての経験だったが、急きょ開いた「ウェブ合同企業説明会」に大きな反響があった。さらに広島県中小企業家同友会から依頼を受け、6月10〜12日に同様の説明会を開いた。21社が参加。さっそく来春新卒者から応募があったという情報が入り、手応えを感じた。
 続いて広島県主催で6月下旬から7月中旬の10日間にリアルタイム配信のウェブ合同企業説明会を開催し、100社が参加。会場には司会者と人事担当者だけ。企業によってはオンライン会議システムのズームを使い、司会者が社長や人事担当者と画面上で対話。動画投稿サイトの視聴数はピーク時に約600件に達した。学生はオンライン上で参加し、チャットで質問。互いに表情を読み取りにくい点はあるが、遠方からも参加でき、企業概要はつかめる。興味のある会社へは直接訪問し、挑戦するほかない。
 ひろぎん経済研究所(中区)の水谷泰之理事長は、
「新型コロナ禍による身近な小さな変化が、やがて大きなトレンドになる。テレワークを本気で始めると、意外によいという人は多い。もちろん全部テレワークというわけにはいかない。それで人と人の対面によるコミュニケーションの重要性も再認識する。こうした意識が今後のオフィス需要にどのような変化をもたらすだろうか。広い部屋に机と椅子が並んだ無機質なオフィスから脱し、しゃれたカフェみたいなオフィスに変貌するかもしれない」
 潮目を見切ることができるかどうか。本に書かれたことを知っているだけでなく、リアリティを持って受け止めなければ、ビジネスにはならない。変化に対応できなければビジネスは終わる。小さな変化に隠されたビジネスチャンスを発掘し、そこにひらめきがあれば、挑戦するほかないと言い切る。
 免疫を持つためには一度感染して抗体をつくるか、ワクチンによって抗体をつくることもできる。人類は多く犠牲を出しながら免疫によってウイルスや細菌と闘ってきた。
「免疫力をつけるために悪い奴に遭遇する必要があるともいえる。ワクチンは模擬訓練で、感染は現実の被害みたいなもの。世間知らずでは免疫ができていないため、大きなけがをすることがよくある。最近の若い人は失敗を恐れてチャレンジしないという話をよく聞く。大けがをしない程度に大いに失敗し、免疫力をつけてほしい。免疫力を発揮するには健康で、十分な栄養と休息も必要。温かく見守ってほしい」
 企業の免疫力も試される。

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