広島経済レポート|広島の経営者・企業向けビジネス週刊誌|発行:広島経済研究所

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  • 掲載ニュース― NEWS ―

    今週の表紙
    サンポールの社長に就任 / 山根 令 氏
    NEWSな人
    3月に美術館など複合施設開業 売上高過去最高見込み / 丸井産業 吉村 良介 常務兼管理本部長
    段原に17階建て分譲マンション ザ・タワーレジデンス富士見町も販売順調 / 三菱地所レジデンス中国支店 浜川 敏也 支店長
ニュース一覧
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グルメ&ナイト― GOURMET and NIGHT ―

話題のお店を取材!
ComeStai?(コメスタイ) / 篠原 正樹 オーナー

リゾットを成型して油で揚げたイタリア風のライスコロッケ「アランチーニ」専門店。外はサクサク、中はとろりとしたチーズ入りでモチモチの食感が楽しめるという。店名はイタリア語で「元気?」を意味するあいさつ言葉。昨夏に東京から移住し、広島での出店を決めた。
「もともと麻布十番でイタリアンなどを手掛けていましたが、コロナ禍で業態変更。広島はおいしいアランチーニに欠かせない米や魚介、お肉、オリーブまで全てが手に入り、まるで地中海に浮かぶシチリア島のように感じる。大好きになりました」
 無添加で全て手作りしており、テークアウトがメイン。食べ歩きに加え朝ご飯や子どものおやつ、手土産など、さまざまな需要を見込む。今冬から新商品「牡か蠣きと瀬戸内レモンのアランチーニ」を提供。
「リゾットには無限の可能性がある。広島の食材を使って全国通販も進めており、広島を盛り上げ、全国、世界と飛び立つ商品にしていきたい」

    INFORMATION
  • ◆住所:中区白島北町19-1 上野学園ホール地下1階
  • ◆電話:082-909-9304
  • ◆営業時間:午前11〜午後7時
  • ◆不定休
  • ※発行当時の情報となります。過去の記事につきましては、最新情報を掲載店さまにご確認ください。

スポーツ応援談― SPORTS TALK―

経営者が語るスポーツ「愛」
小原防災工業 / 小原 洋一 社長

消防や防災設備の構築、点検業として2009年に設立。父がマツダのサッカー部にいた縁で、日本代表の森保監督とはサンフレッチェ時代から交流があります。昨年のW杯での姿が示すように、とにかく人柄が優れている印象。選手はJリーグや海外のクラブで活躍する精鋭たちですから、一つのチームとしてまとめ上げるのは本当に難しいはず。フラットな態度で選手と接し、自分の思いを聞き入れさせる求心力を持った方です。
 サンフレッチェは年間指定席を持っており、予定が空いていれば子どもと一緒に観戦。22年の好成績の要因はスキッベ監督の手腕、特に選手を的確に褒めてモチベーションを上げたことだと思っています。私も社会人までプレー経験があり、現在は少年サッカーの指導に携わるので、指導者がつくる雰囲気は非常に重要と分かります。大きな補強なしであれだけチームが強くなったのは、指揮官が選手の力を引き出したからでしょうね。
 20年からジュニアユースチームのユニホームに当社ロゴを掲出しています。定評のある育成に一層注力し、トップチーム強化につなげてほしいという思いを込めました。彼らは昨年12月の全国大会で準優勝の結果を残してくれ、誇らしいです。
 24年の新スタジアム開業も楽しみ。カープが新球場で一気に盛り上がったように、サンフレも県民一体となって支える風土が醸成できれば。パートナー企業として、微力でも役に立ちたい。

コラム― COLUMN ―

                                   
記者が注目する「こぼれ話」
夢は始まったばかり

2018年に講談社から発売された本「サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい」が話題になり、電子書籍を合わせて13万部超のベストセラーになった。ゼロからの起業よりも、すでに経営基盤がある小さな会社を買う方が成功の確率が高いという。本当かなと思うが、いわばスモールM&Aの選択肢を推奨する。
 独立や起業を夢見るサラリーマンは大勢いる。しかし経営経験のないまま事業を引き継ぐリスクは大きく、大抵は躊躇(ちゅうちょ)する。東広島市の土岸洋堂さん(45)はサラリーマンだった21年秋に決断し、東広島エリア最大級の打ちっぱなし練習場「西条ヒルサイドゴルフ」を運営する株式会社ヒルサイド(同市八本松東)の経営を引き継ぐ。
 当時の売上高は3000万円。役員報酬ゼロで赤字3000万円を計上する厳しい経営状況だった。だが、ひるむ気持ちはなかった。リニューアルオープン後、昨年12月で丸1年を迎え、業績は急回復している。
「ビジネスは顧客目線が大切だとよく耳にしますが、つい先日まで自分が施設を利用する側だったので改善点の分析には自信がありました。前オーナーが売却を検討しているという情報が入り、願ってもないチャンスだと思った。長く勤めていた会社をすっぱりと退職。オーナーと話し合いを重ねて、真新しい環境に飛び込んだ」
 1977年5月生まれ。県内の自動車ディーラーに整備士として計7年勤務した後、マツダ関連会社でガソリンエンジンの開発に約15年携わった。むろん経営は素人だが、道は好む所によって安し。営業や労務面、取引先の管理、機械設備の仕組みや操作方法などを短期間で習得した。
「銀行の方は当初から半信半疑で、経営経験もないのに本当にうまくいくのか、果たして決算書が読めるのか、などと厳しい指摘があった。とにかく必死に食らいつき、何度も事業計画を作り直した。私の熱意が伝わったのか、やがてアドバイスを受けながら無事に買収資金を借り入れることができました」
 既存のパートスタッフ10人弱の雇用を維持。21年12月16日から新しい経営体制でスタートを切り、まずは傷んできている打席用のマットや練習球の入れ替えから始め、施設内の改修や美化活動に取り組んだ。
「西条ヒルサイドゴルフの最大の魅力は美しい天然芝のフェアウエーと、ショットに集中できる自動ティーアップ機です。この二つは他の練習場に負けない差別化要素なので何としても維持。多くの人から毎日練習に行きたいと思ってもらえる場所にすることが理想と考えていた」
 年次会員を再募集しフリーワイファイの設置、夜間でも球筋がはっきりと見える照明のLED化、土日祝の打ち放題メニューの設定、公式ホームページ・SNSの開設、キャッシュレス決済の導入、トイレ改修、バンカー練習場リニューアルなど15件を超える改善を矢継ぎ早に実行。次第に若い人を中心に新規顧客が増え始め、離れていた既存客も戻りつつあるという。
 直近半年間の売上高は前年同期比42%増、年次会員数は4倍の240人まで増加。昨年秋から月ベースで黒字転換を果たした。7月期決算は前年比倍の売上高6000万円を見込む。将来の目標は1億5000万円。夢は始まったばかり。

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