広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
SNS運用のポテン(中区紙屋町)が3月に開いたスープカレー店。アサリやホタテなどの魚介と国産牛を5時間かけて低温でじっくりと煮込んだブイヨンに、十数種類の香辛料や、あめ色になるまで炒めたタマネギ、しょうゆを加えた和風テイストが特徴。奥山穂菜美店長は、
「『毎日食べても飽きない』がコンセプト。その日の気分に合わせてカレーをカスタマイズして楽しめるよう、ビーフやシーフード、きのこなど、さまざまなトッピングを用意しています。魚介だしを利かせているので、二日酔いの人にもお勧めです」
カレーに合うようブレンドしたコーヒーも好評という。午後6時からは4種類のクラフトビールやスパイス料理が楽しめる居酒屋営業とする。
「特別感を味わってもらえる店づくりを目指し、『良い1日を』と声を掛けてお見送りします。ありがたいことに毎日のように通ってくださる方も。おいしい食事と明るい接客でファンを増やしたい」
国内外250種類以上をそろえるジン専門のバー。日本酒・千福の三宅本店(呉市)が造る「クラフトジン瀬戸内 檸檬」を監修した。信家崇史代表は、
「ジンといえば海外メーカーの数銘柄が有名ですが、2000年ごろから独自の風味を加えたクラフトジンが登場し、近年の世界的な流行につながりました。続々登場する個性豊かなジンに出合ってほしい」
ジンにはまって各地の酒場を訪ね歩いた後、19年に開店した。定番のロックやストレート、ソーダ割りのほか、最近のジンで新たな風味に仕立てたギムレットやホワイトレディーといったスタンダード・カクテル、旬の果物を加えたカクテルなどを提供する。店でスパイスや植物などを漬け込んで作るオリジナルジントニックもある。1杯1000円程度〜、チャージ料なし。
「老若男女それぞれにきっと気に入っていただけるメニューがあるので、気軽に飲みに立ち寄ってください」
10月15日に流川から移転オープンした創業18年のジャズピアノバー。下本滋マスターによる毎日のピアノ演奏に加え、不定期でゲストミュージシャンによるライブも開催。チャージ料金は通常で男性2500円、女性2000円。ライブ時は出演ゲストなどにより変動する。下本マスターは、
「音楽バーは若者や初心者に敷居が高いと思われがちだが、当店はお酒を飲みながら気軽に生の音楽に触れられるバーがコンセプト。来店をきっかけに同様のバーに興味を持ってほしい」
アルコールはウイスキーやカクテルなど約20種類を700〜1500円で提供。ウイスキーだけで11種類用意する。ソフトドリンクも約10種類を500円から用意しており、スタッフがその場で点てた抹茶も味わえる。リニューアルに際してグランドピアノや録音機材を新調し、レコーディングの受け付けも始めた。音源の価格は応相談。
すし店「すし亭」を営むひのき(西区)が5月、紙屋町店を新業態に刷新。握り、刺身、天ぷら、酒などほとんどを390円(税別)以下で提供する。和食の料理人だった父の影響で入社し、各すし亭店長などを経験した津間友治店長は、
「すし亭同様、水揚げ当日の新鮮な魚介類を仕入れる。魚によって管理方法を変え、氷の中で寝かせたり、塩を振って熟成させたり、ベストな状態でお出しできるよう工夫している」
「にぎり盛合せ」やランチ限定の「海鮮丼」(500円、吸い物付き)が近隣会社員や買い物客に人気。今後、若年層の来店を一層増やしたいとする。コロナ収束後に、毎月のマグロ解体実演の再開を計画。
「コロナ休業中、アルバイトも対象に、接遇を学ぶロールプレーイング研修を行った。ありがたいことに特定のスタッフの接客を気に入り、通ってくださる方も。今後もお客さまとの会話を大切にしたい」
ブックカフェのりんご堂(中区小網町1-9あおば園1階)の2号店で、10月1日にバー併設の本屋としてオープンした。〝レトロでかわいい喫茶店のようなバー〟をコンセプトに、お酒やコーヒーを飲みながら本を楽しめる。野崎泰弘さん・あかりさん夫妻は、
「当店のような形態は広島でも珍しい。くつろぎながら本を読んでもらい、お客さん同士で好きな本や作家について語り合う場としても利用してほしい」
飲み物はウイスキーを1杯600〜1500円で20種類、自ら焙煎したコーヒーなどノンアルコールが15種類。600円でケーキも提供。本は新刊から中古まで全て購入でき、絵本や小説、料理本などをあかりさんが選び、仕入れる。
「約200冊とあえて取り扱い冊数を少なくすることで、あまり本屋で手に取らないジャンルを読んでもらえるようにしている。新しい本や作家と出会い、楽しみ、共有できる空間を目指す」
重厚でシックな雰囲気の会員制ラウンジ。10月7日に12周年を迎える。五十棲加奈ママは、
「連日の報道で不安な毎日を過ごされていることと思います。その中でたくさんのご心配のお声をかけていただき本当にうれしい。昨年から続くコロナ禍の脅威の中で、流川も元気がなく、疲労の色が濃い飲食業界。この日を迎えることができたのはお客さまのご愛顧があったからこそ。感謝の気持ちでいっぱいです」
カウンターとボックスに加え、個室も用意。
「人生でこんなになってしまうなんて。一番悲しいのは、愛しいお客さまへの送別ができないこと。そしてただただ皆さんに会うことさえかなわないことです。新たな生活様式に変わっていく世の中についていけなくなり、自分との戦いではありますが、この影響をマイナス面だけで捉えず、水と緑の町広島で、もう少しお仕事させてもらおうと思っています。一日も早くコロナ禍が収束し、平穏な日々が戻りますように。心の底から『乾杯』ができることを楽しみにしております」
広島電鉄本通駅から徒歩1分に立地し、ビジネスマンからファミリーまで幅広い客層に親しまれる。RCCテレビ番組「イマナマ!」の料理コーナーに10年以上レギュラー出演する代康徳オーナーが、肩肘張らず気軽に来店できる中国料理店を目指して2016年にオープンした。
「特別な食材でなくても技術でおいしくするのが中国料理の基本です。看板メニューは熟成1年のトウバンジャンとサンショウを使ってより本場に近い味を再現した『陳マーボー豆腐』です。食べて自然と頬が緩むようなおいしい料理を提供していきたい」
広島市出身で東京理科大学を卒業後、そごう広島で父が経営していた旧広島四川飯店に入社。31歳で中国・四川省に渡り、約2年間本場で中国料理を学んだ。マーボー豆腐やエビチリ、八宝菜などのメイン料理と小鉢、サラダ、おかわり自由のご飯とスープ、漬物、あんにん豆腐のランチセット(880円〜)が人気という。
交流施設CLiP HIROSHIMA2階で、ランチや軽食、夜は本格的なコース料理を提供する。厨房を率いる吉川忠義さんは、
「県産食材にこだわったメニュー提供に力を入れています。その日仕入れた食材に合わせて調理し、ときにメニューにない料理を作ることも。幅広い層に受け入れられる店に育てたい」
和・洋食店、フレンチレストランなどで約20年の調理歴を持つ。メニュー開発を強化しており、1日5食限定で提供を始めたトマトラーメンは豚骨スープとホールトマトを煮込み、クリームで仕上げる。くせになるとリピーターが増え、売り切れる日は多い。キッチンカー導入やビアガーデンなどの新たな試みも進める。
米カリフォルニア州の「ケンゾー・エステート」のワインを提供する県内でも珍しい店舗だ。
「ランチはにぎわいますが、ディナーのお客さまをもっと増やしたい。当店を経営する広島トヨペット古谷社長とは、いずれ銀座やニューヨークに出店したいと夢を語っています」
南イタリアをイメージしたイエローの壁が目を引くイタリアンレストラン。九州直送の彩り鮮やかな有機野菜やブランド肉と、炒った小麦入りの香ばしい手打ちパスタなどを提供する。小國好伸シェフは、
「昨年6月、福岡から帰広して開業。ワインと共にゆっくり料理を楽しんで1日の疲れを癒やし、明日への活力を養う場所にしたい」
カウンターメインの店内で注文の料理を一品一品作る。契約農家から届く野菜は、例えばナスでも縞模様のゼブラナス、球形のタイナスなど珍しい品種がグリルやバーニャカウダ、パスタなどに使われる。メインは「糸島豚骨付きロースのグリル生胡こしょう椒ソース」「佐賀産骨付き有田どりのアクアパッツァ」などで、魚介類は新鮮な地元産食材を取り入れる。共に店に立つ妻・真紀さんはソムリエ資格を持つ。
「一皿ごとに違うワインをグラスでなど、好みを気軽に相談してください」
女性が一人で仕事帰りに立ち寄れるカジュアルな伊料理店をコンセプトに、2020年4月に開業した。橋本康彦店長は、
「常時12種類以上のグラスワインと、それに合う単品料理を用意。200円のおつまみから、パスタ料理まで一人で食べられる量に設定。3〜4品とワイン2杯で4000円ほど。2軒目や、食後のデザート利用での来店も歓迎です」
13年間、旧ホテルサンルート広島の伊料理店「ヴィアーレ」でホールマネージャーを勤め、同僚だったシェフ2人と共に開業。洋食やワインへの敷居を低く、手頃な価格で提供しながらも、ホテルレストランで培った一流の料理技術とサービスを提供する。
「南北に長いイタリアは地方によってワイン・料理が異なります。寒い北側では肉やチーズなどに合う赤ワイン、温暖な南側では魚やトマトに合う酸味のあるすっきりとした白ワインなど。当店でも、魚・肉・野菜に合うそれぞれのワインをご提案します。ワイン初心者も気軽にお立ち寄りください」
ダイヤモンドダイニング(東京)が運営する和食店。看板はなく、上生菓子を扱う店「島々」が入り口になっている。知る人ぞ知る〝隠れ家〟感を演出し、記念日やデート利用が多い。和食店やおばんざい店の運営に長く携わった土井克朗店長は、
「地元の漁師、生産者さまから仕入れた食材を生かして、少しのアイデアと手間暇を加えた料理やコースを提供しています。店名の由来となったフランスの女優エマニュエル・リヴァにちなみ、フレンチの要素や調理法も取り入れています」
誰にでも気軽に懐石料理を楽しんでほしいとの思いから、4900円(1日4組限定)で提供。れもん鍋など郷土料理のコースも人気という。
「『先を読んで、先を満たす』を信念に、接客マニュアルは作らず、お客さま一人一人に合わせた対応を心がけています。暑そうにされているお客さまに冷たいおしぼりをお持ちするなど、ささやかな気遣いを大切にしたいですね」
12月で開店から20周年を迎える焼肉店。肉や野菜は県内の契約農家から直接仕入れており、生産者の顔が見える安心・安全な地元食材の使用がモットー。牛肉は全て神石牛を使う。運営するC&Eコーポレーションの名越鉄治社長は、
「お客さまに非日常空間を楽しんでもらえるように工夫しています。料理は写真映えするように立体的に盛り付け、ノンアルコールカクテルやデザートも豊富。内装は現代と過去との融合がテーマ。古民家風の外観で店内には大型スクリーンも設置しています」
誕生日や歓送迎会などの記念日には、メッセージ付きデザートプレートの用意など積極的なサプライズ演出を行っている。顧客層は平日にカップルや若い女性、週末は家族連れが多い。
「目指すは食のディズニーランド。また来たいと思えるようなサプライズのお手伝いもぜひ協力させてください」