広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
ダイヤモンドダイニング(東京)が運営する和食店。看板はなく、上生菓子を扱う店「島々」が入り口になっている。知る人ぞ知る〝隠れ家〟感を演出し、記念日やデート利用が多い。和食店やおばんざい店の運営に長く携わった土井克朗店長は、
「地元の漁師、生産者さまから仕入れた食材を生かして、少しのアイデアと手間暇を加えた料理やコースを提供しています。店名の由来となったフランスの女優エマニュエル・リヴァにちなみ、フレンチの要素や調理法も取り入れています」
誰にでも気軽に懐石料理を楽しんでほしいとの思いから、4900円(1日4組限定)で提供。れもん鍋など郷土料理のコースも人気という。
「『先を読んで、先を満たす』を信念に、接客マニュアルは作らず、お客さま一人一人に合わせた対応を心がけています。暑そうにされているお客さまに冷たいおしぼりをお持ちするなど、ささやかな気遣いを大切にしたいですね」
12月で開店から20周年を迎える焼肉店。肉や野菜は県内の契約農家から直接仕入れており、生産者の顔が見える安心・安全な地元食材の使用がモットー。牛肉は全て神石牛を使う。運営するC&Eコーポレーションの名越鉄治社長は、
「お客さまに非日常空間を楽しんでもらえるように工夫しています。料理は写真映えするように立体的に盛り付け、ノンアルコールカクテルやデザートも豊富。内装は現代と過去との融合がテーマ。古民家風の外観で店内には大型スクリーンも設置しています」
誕生日や歓送迎会などの記念日には、メッセージ付きデザートプレートの用意など積極的なサプライズ演出を行っている。顧客層は平日にカップルや若い女性、週末は家族連れが多い。
「目指すは食のディズニーランド。また来たいと思えるようなサプライズのお手伝いもぜひ協力させてください」
2015年にオープンした広島で珍しい燻製料理専門店。県内の鉄板焼き店で約8年間修行した滝本健オーナーが趣味の燻製と鉄板焼きを掛け合わせた新たなスタイルの料理を提供する。肉や魚、卵などの食材を長時間かけて低温で燻製する冷燻を得意とし、注文を受けてから鉄板で調理するのが特徴。香りと食感のバランスが良く、燻製が苦手な人でも楽しめるという。「燻製と聞いて一番に思い浮かべてもらえる店を目指しています。看板メニューは国産牛ロースを使った燻製のステーキです。ウイスキーなどの酒と相性が良く、燻製ポテトサラダと一緒にお楽しみください」 コロナ禍でランチの営業をスタート。時期ごとに具材を変える燻製スパイスカレーを提供している。8月はエビとココナツを使ったカレーを用意する。「アウトドアブームで燻製人気が高まっています。女性客が多く、カップルでの利用もお勧めです」
「痺れる辛さとジンの店」がコンセプトの中華料理店。7月12日に店舗を22席から42席に拡張し、メニュー数も増やしてリニューアルした。麻婆豆腐、ラーズーチー、スペアリブなど花山椒の利いたクセになる料理に加え、ジンは国内外から100種類以上そろえる。本多琢磨オーナーは、
「お客さまにとって家(日常)と外(非日常)の中間である、日常ほど刺激が少なくなく、非日常ほど刺激が強すぎない縁側やベランダのようなお店づくりを目指しています。ジントニックとシビ辛料理が生み出すマリアージュをぜひ試してもらいたい」
独自のルートから仕入れた台湾夜市のようなせいろ蒸し料理に加え、生ガキや広島菜など地産地消の商品も取りそろえる。
「エキニシの古民家の趣ある梁や柱を生かしつつ、清潔感にこだわりたい。本格韓国料理が楽しめる韓国屋台ベッコウや、メキシコ食堂ガラパゴもエキニシで営んでいます。お好きな料理に合わせて使い分けてください」
店主自らが全国の仕入れ先に直接足を運び選んだ食材を使い、中華や和食、韓国料理などさまざまなジャンルの料理を提供する居酒屋。5月末に銀山町から移転した。江間宏志店主は、
「年中刺身で提供する鳥取県の幻のグルメといわれるモサエビに加え、北海道の花咲カニなど、広島では珍しい食材を取りそろえています。一方、中華などさまざまなジャンルで腕を磨いた麻婆豆腐や特製焼売、海鮮チャプチェなども好評です」
アルコールは日本酒に力を入れ、常時20本程度を用意。JALのファーストクラスで提供された上川大雪酒造(北海道)や屋守(東京)、美丈夫(高知)などを扱う。
「感染リスクを抑え、快適な環境で食事を楽しんでもらいたいと個室のほか、タバコのにおいなどを取り除くオゾン発生機なども備えました。食材、仕入先、お客さまといった『すべての出逢いに感謝‼』をモットーに、皆さまに喜んでいただける店を目指します」
2016年に開業し、21年3月に西区の天満屋広島アルパーク店から移転オープンした。経営全般と接客を担う小林芊オーナー(30)は、
20歳で中国から留学で来広し、いつかは自分の店を構えたいと考えるように。中国の大手ホテルで料理長を務めたシェフが、日本人の味覚に合わせた広東、四川料理を提供。辛いのが苦手な人も食べやすいと好評です」
エビやニラ、豚肉を自家製の生地で包んだ三鮮水ギョーザや、中国産サンショウを利かせたマーボー豆腐は開店当初から人気があり、常連の大半が注文する。
「お客さまとの距離感を大切にし、誕生日にささやかなプレゼントを贈るなど、喜んでもらえる方法を常に考えています。ありがたいことに毎日利用してくださる方も。おいしい食事と、明るい接客でファンを増やしたい」
近隣に水ギョーザのテークアウト専門店開設を視野に入れる。
7月に開業したホテル「江田島荘」内のレストラン。箸で食べられるフレンチをテーマに朝・夕食を提供する。小竹隼也総料理長は県内ホテルや東京で経験を積み、2015年に「第1回ひろしまシェフ・コンクール」の成績優秀者として県の支援を受け渡仏した。
「レストランから町おこしをするなど、食を通じた表現方法や食の偉大さに触れました。地元の食材や人々とのコミュニケーションを大切にする師匠の考え方にも感化されました」
18年に帰国。地域で採れた食材を、地域で料理し、食すという修業先で学んだ食文化を広島で実現できる場を求め、時間をかけて場所や生産者を訪ねて回ったという。
「店先などで島民同士が交流する姿や彩り豊かな野菜、目の前に広がる海などが仏の景色と重なったのがここで働く決め手でした」
広島に戻り、シェフとして初めて現場に立つ。「江田島産小鰯いわしのタルタルきゅうりのシートをかぶせて」など、地魚や野菜のほか、冬場はイノシシ肉も使う。
「アカエイなどの一見価値の薄れた食材も仏料理の技術を生かすことで、おいしく生まれ変わる。新たな食材の発掘も目指します」
お好み焼きの徳川チェーンで、広島・愛媛・島根・山口でFC店含め20店を運営。アルバイトを経て入社し、6店で店長を務めた田中成雄専務は、
「広島風、関西風に加えて鉄板焼きも提供し、好みに合わせて選んでもらえる。家族や友人とわいわいと鉄板を囲み、団らんの時間を楽しんでほしい。各店によるメニュー開発を推進し、ホワイトソースを使ったグラタン風、台湾ラーメン風などユニークなお好み焼きが誕生。大麦入りなど体に良いメニューづくりも強化している」
徳川をはじめ、グループで出た食品残さから堆肥を製造。農業のベジタ(庄原市)に供給し、店で使うキャベツは全て同社のもので賄っている。季節によって水分量や硬さが変わるため、複数品種から最適なものを厳選する。
「昨年12月には冷凍お好み焼きを商品化し、店頭やインターネットで販売。一枚一枚手焼きして食材の鮮度や食感、風味を維持する『プロトン冷凍』技術を採用し、店と遜色ない仕上がりに。リピーターも多い。今夏中にカキ、穴子入りの『宮島物語』を発売予定。PRを強化するとともに生産性を上げ、事業の柱にしたい。人の動きが戻るまでにはまだ時間がかかるが、現在手薄な東区、南区を中心に引き続き出店していく。5年後をめどにFC含め30店体制を目指したい」
4月9日にオープンしたフードペアリングバー。200種類のアルコールドリンクと、30種類の料理やデザートを用意。最適なペアリングで、広島で一番おいしく酒を飲める店を目指す。一番人気の組み合わせのビールと「お酒に合うポテトサラダ」は来店客の9割以上が注文するという。ノーチャージで、メニューは単品注文も可能。ビルの1階でテラス席があり、立ち飲みもできる。末本崇人店長は、
「ウイスキーだけで150種類を用意。ビールを冷えた樽たるから直接注げるように冷蔵庫を改造するなど、普段のお酒がよりおいしくなるようにこだわっています」
全ての飲み物の利益を一定とし、客が気に入ったものを酒屋で購入できるよう通常版のボトルを多くそろえる。
「若者から、酒好きで新しいものを試したいという年配の方までたくさんの人に来てほしい」
安心安全をモットーに地元の旬の食材を使った和食料理を提供。季節やその日の仕入れ状況によってメニューが変わるため、何度足を運んでも新鮮な気分が味わえる。これからの季節は瀬戸内のハモを使った刺身や天ぷら、夏野菜などがお薦めという。田中晋一朗店主は、
「看板料理は締めでよく食べられる『息子の玄米塩むすび』です。父が安芸高田市で作った米を使うことからネーミングしました。塩には長崎県の天日塩を使用。地元の三國屋のノリと一緒にシンプルだが、奥が深い味わいを楽しんでもらいたい」
店内は木を基調としたぬくもりのある落ち着いた雰囲気が特徴で、普段使いから会食まで幅広く利用されており、経営者の常連客も多いという。
「おいしい料理を出すのは当たり前で、お客さまの期待以上のものを提供するのが使命だと感じています。食べることで体が健康になり、精神面も豊かになるような店を目指していきたい」
市内で鉄板料理店2店を経営。八丁堀店が2月に12年目、三川町店が5月に5年目を迎えた。主力のステーキは部位ごとに異なる肉卸から仕入れる。鉄板に乗せた網の上で約1時間かけてじっくりと低温で焼き、ジューシーで口の中でとろけるような食感を楽しんでもらう。特に牛ヒレ・シャトーブリアンが人気で、9割以上の客が注文するという。美野由人店主は、
「魚介や野菜にもこだわる。例えば、アスパラやレンコンは農家を直接訪れて買い付けます。当店を選んでいただくお客さまに喜んでもらうため手間を惜しみません」
客との距離感を大切にし、常連が6〜7割を占める。鉄板で調理する焼きポテトサラダは開店当初から人気があり、
「焼いてみたらおいしく思い切ってメニュー化。今では来店時のとりあえずの一品です。コロナの影響を受けていますが、今こそさまざまなことに挑戦し、お客さまに恩返ししたい」
近く宅配用リュックを背負い料理を届けるサービスを始める。
昨年5月にジアウトレット広島(佐伯区)、12月にゆめタウン広島(南区)にオープン。あらかじめ低温スチーム調理したキャベツを使う独自手法で焼き上げる。本来の甘みとうま味を逃さず、蒸らし時間を減らす効果もあり、注文から10分以内と〝地域最速〟の提供を掲げる。ゆめタウン広島店の長谷川聖店長は、
「提供の早さに驚かれるが作り置きはしない。早くてうまい牛丼屋のように使ってほしい」
油を使わないヘルシーさも特徴。ソースは適量を薄めに塗り、カキエキスと瀬戸内レモンを調合した独自ソース、激辛ソース、辛子マヨネーズ、ハバネロなどを卓上にそろえ、好みで楽しめるようにする。汁なし担々麺の人気店くにまつのミンチ肉やラー油を使うコラボお好み焼きも。トッピング1品、生ビール含むドリンク1杯付きで1050円コースが人気という。
「地域のお客さまが大半。コロナの影響を受けるが、着実に常連が増え手応えを感じている」