広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
3月18日にオープンした希少ブランド牛「尾崎牛」を使う焼肉レストラン。月70頭しか流通しないブランド牛を中四国で初めて一頭買いし、希少部位を「尾崎牛本日の特選部位8種盛」(2〜3人前、4500円)などで提供する。運営するダイヤホーム飲食事業部の下田聖也部長は、
「独特の飼育方法でうま味が凝縮され、油の融解点が低く胃もたれが少ない。希少ブランド牛のさらに希少な部位を堪能できる」
フレンチやイタリアンなどの一品料理にも力を入れ、6600円のコース料理も用意。元五つ星レストランなどで約20年経験を積んだワインソムリエの野村有希氏による熟成ワインとのマリアージュも味わえる。
「焼き肉が目当てのお客さまが多いが、より尾崎牛の良さを引き立たせる料理やワインを多くそろえている。尾崎牛を食べたことのある人にも来店していただき、新たな楽しみ方を提供したい」
広島電鉄の鷹野橋電停近くのつけそば店。北海道産小麦を使うちぢれ太麺が売りで、できたてを楽しんでほしいと店内製麺所で毎日仕込む。佐伯頼尚、松田諭オーナーは、
「保存料や化学調味料を一切使っておらず、小麦本来の香りや甘みをダイレクトに味わえると好評です。つけダレに付けずに麺をそのまま食べる人もいます。ゴマを練りこんだ限定麺など、商品開発を自由にできるのも自家製ならではの強みです」
しょうゆダレには熱処理をしていない絞りたての生揚げしょうゆ、さば節、いりこ、真昆布、ホタテ油を配合。メンマなどの具材にもこだわり、いずれも国産品を使う。
「お客さまが気付かないところにまで手を抜かないことで、唯一無二の一杯が生まれると信じています。近年は裏メニューやスタッフの人柄など、SNSでの情報発信に力を入れ、来店頻度の向上につなげています。近く2号店のオープンを目指しており、一層まい進します」
焼いた広島産和牛をだしにくぐらせる広島では珍しい食べ方を提案する。橋津由二店長は「店で引いた一番だしにすだちを絞る。脂っこさが減りさっぱりとしてうま味も加わる。新たな味わいを楽しんでほしい」
人気メニューは、上質なサシの入った薄切りリブロースにタレをかけた「飲める和牛」。かまなくても食べられそうな軟らかさから名付けた。専用設備や徹底した衛生管理がないと提供できない「霜降り和牛ユッケ」のファンも多い。これらのメニューに付ける卵もこだわる。安芸高田市産のブランド卵「彩」を採用し、濃厚な味わいがメニューを引き立てる。煙が出にくい卓上ロースターは、臭いを気にするビジネスマンに好評だ。10階にあり、夜景を臨むカウンター席が目当ての来店客も。
「6種の肉を食べ比べできるランチを計画中だ。料理はもちろん、スタッフが生き生きと働いてお客さまをもてなし、楽しかったと言われる店にしたい」
リーガロイヤルホテル広島1階のブッフェレストラン。1年半前から、南米を代表するバーベキュー料理「シュラスコ」をメインに据える。牛のさまざまな部位の塊肉を鉄串に刺し、じっくりと豪快に焼く。焼きあがった肉を客席まで運び、目の前でカットして提供する。篠原浩一マネジャーは、
「都市圏ではシュラスコ専門店があるが、ホテルレストランで味わえるのは全国でも珍しい。焼肉、鉄板焼きとは違う調理方法や見た目、ライブ感も楽しんでほしい」
塩・こしょうでシンプルに味付けし、ジューシーで軟らかい4種類の肉や焼きパイナップルを用意。一番人気は希少部位でもあるイチボで、程よく脂身があるという。
広島県出身。大阪の本社に就職後、約20年前に広島に転勤となり、前身の「コーヒーハウス コルベーユ」に配属。当時は泊まり込みの勤務体系で先輩たちと過ごす時間も長く、接客やサービスのいろはを学んだという。現在は指導する立場となり、若手の育成に力を注ぐ。
「3月からデザートメニューを15種類へ拡大。春の慶事でぜひ肉とスイーツを楽しんでほしい」
賀茂鶴グループ直営のレストラン。2021年12月に半個室の予約専用フロアを設け、酒だるの菰などを展示して酒蔵の雰囲気をより感じられる空間にリニューアルした。蔵人のまかないとして考案した美酒鍋のほか、若い世代に人気の日本酒カクテル、同店限定のオークだる熟成酒などを提供。料理と酒のペアリング提案にも力を入れる。総料理長の藤原修二さんは、
「料理の下処理に徹底的にこだわっています。例えばサラダはしっかりと水気を切り、大きさを均一にそろえることで味が大きく変わります。思わず笑みがこぼれるおいしい料理を提供していきたい」
新商品の和洋を取り混ぜた9種のおつまみ盛り合わせプレート(2750円)が人気という。
「料理に合うお酒を探すのではなく、お酒に合う料理の開発が特徴。日本酒の新しい可能性を模索したい」
宇品・千田廟公園から南へ続く御幸通りに建つ、古民家をリノベーションした喫茶店。レトロ感のある店構えだが、2月24日にオープン1周年を迎えたばかり。牟田英代店長は、
「祖父母宅がある小さなころから親しんできた通りで、空き店舗が増えて寂しかった。下町感のある面白いエリアなので若い人が来店して活気が出ればと出店を決めました」
名物は手作りコロッケで、週替わりでカニクリーム、カレーなど4種類を用意する。コロッケに総菜を盛り合わせたランチのほかにテークアウトがあり、近所のファミリー層から年配者まで訪れるという。市内の焙煎所に依頼したオリジナルブレンドのコーヒー、クリームソーダ、ベニエ(揚げ菓子)などのスイーツも用意している。
「夜の営業ができるようになったらお酒も出したい。今、店舗の裏側に喫茶の待合やテイクアウト用のデッキスペースを整備中。イベントなどにも活用する計画です」
マリーナホップ内にあり、大きな窓からヨットハーバーが見渡せる。ハンバーグ、ステーキを中心にパスタ、ドリア、かつ丼、うどんなど幅広い料理をそろえ、家族連れや近隣会社員らが訪れる。藤原大志店長は、
「看板メニューのハンバーグは独自の配合で肉々しすぎず、230㌘とボリューミーながらシニア層のリピーターも多い。オーブンで蒸してから鉄板で提供することでうまみを閉じ込め、軟らかくジューシーに仕上げています」
スチームコンベクションを導入し、3月からソイミートのハンバーグをメニューに加える。健康に関心の高い30〜40代女性の来店を増やしたいとする。岩国市(山口)の姉妹店の料理と合わせ、通販も始める予定。
「広島でハンバーグと言えば当店と言ってもらえるよう、厨房とホールで協力し合い、チームプレーで良い店をつくりたい。県内で多店舗展開するのが夢です」
2012年にオープンした韓国料理の専門店。オーナーで来日16年目の朴云峰さんが本場の家庭料理を提供する。開店から1年間は鳴かず飛ばずの状況だったが、テレビ取材をきっかけに来店客が増え始め、現在は女性を中心にリピーターが多いという。18年には鷹野橋商店街に2号店をオープンした。
「牛骨を7時間ほどかけて煮込んだ手作りのスープが自慢です。隠し味としてスンドゥブチゲなどにも使っており、凝縮されたうま味を感じてもらいたい」
屈託のない笑顔で接客し、韓国のお薦めの観光地を紹介するなど自然体のコミュニケーションも欠かさない。
「定番のサムギョプサルやチヂミなどが人気です。4人以上から対応する税込5500円の2時間飲み放題付きコースは、皆さんのおなかがいっぱいになるまで料理を振る舞うようにしています。横川エリアに3店舗目を出すのが目標です」
昨年開業のホテルマイステイズ広島平和公園前14階に12月、オープンした。広島の中心街が一望でき、旧ホテルサンルートの伊料理店「ヴィアーレ」の時から花見シーズンは早くに予約が埋まるという。
東京都出身の嶋義昭料理長は食への興味から、19歳で伊シチリア島に渡った。地中海地方の料理を学び、帰国して20代は都内ホテルのレストランに勤め、30代で独立し、伊料理店を開業。再びホテル業界に戻りフレンチなどを学び、異動で初めて来広した。
「カキ以外にも魚介類が豊富にあり、そのおいしさに深く感動しました。素材の味を生かした味付けや地産地消の食文化など、シチリアで学んだことを生かしたい」
伊・仏料理を織り交ぜながら、広島の海の幸・山の幸に加え、柑橘類を使った〝瀬戸内料理〟を提供。現在は朝食営業のみで、ランチ・ディナーコースは新型コロナの状況を見ながら再開する。
「店内には、お客さまから見えるところに時計を置きません。特別な空間や時間を楽しんでほしいと、長年にわたる私のこだわりです」
南区大須賀で居酒屋3店を営むアトリが2021年10月に開いた会員制バー。既存客との接点強化や新たな客層開拓に向け、従業員の福利厚生用に保有する戸建ての1階を改装した。森大輔社長は、
「『完全プライベート空間の大人の遊び場』をコンセプトに、店内はレンガやタイル調の武骨な雰囲気のブルックリンスタイルに仕上げました。一軒家の外観をあえて残し、看板も設けていません。知る人ぞ知る隠れ家を目指します」
10数種類のカクテルを出す2時間3600円の飲み放題制で、別途費用で日本酒やジャパニーズウイスキー、海外のクラフトビールなどを原価に近い価格で提供。SNSインスタグラムのダイレクトメールによる予約制とする。安芸長束駅までの送迎が付く。
「有り難いことに週末は満席になるなど、紹介で顧客の輪が広がっています。コロナ禍や昨年11月の『エキニシ火災』で減った客足が戻るきっかけとなるよう、さまざまな縁を大事に愛される店づくりに一層まい進します」
2021年春、隠れ家バルをコンセプトに、内外装をダークカラーの木とアイアンを基調とした落ち着いた雰囲気にリニューアルした。上恵木山陽店主は、
「1人で目配りできる規模で酒と料理を出し、お客さんにゆっくり過ごしてもらえる店になった。改装後は会社帰りに1人で寄る方や女性の方が増えました」
市内ホテルの洋食部門などに勤務後、15年に開業。牛肉や牛タンの鉄板焼き、軟らかい芸北高原豚のステーキに加え、自家製の粗挽きソーセージ、チーズ入りのジャーマンポテトなど仕込みに手をかけた料理も出す。冬場はカキのアヒージョも人気があるという。
「趣味のキャンプ飯をアレンジして出すこともあり、お客さんと話すきっかけになります」
アルコールはハイボールやレモン酎ハイ、ワイン、ラガーに似たコクのあるチェコビールも扱う。締めには中華生めんで作る辛口ソースのお好み焼きを薦める。
2018年にオープンした広島で珍しいロシア料理の専門店。オーナーで来日17年目のジェーニャさんが母のジーナさんと二人三脚で店を切り盛りし、本場の家庭料理を提供する。ホフロマと呼ばれる花や木の実、鳥が描かれたロシア伝統の柄を多く採り入れた店内には、マトリョーシカなどのかわいらしい小物を多く置いている。
「ロシアでイベント時によく食べられるニシンとビーツのサラダや、酒と相性の良い豚バラの塩漬けなどが人気です」
サワークリームをつけて食べる日本の水ギョーザに似たペリメニやライ麦パンのボルシチ、ビーフストロガノフなど全て手作り。あえて日本人の好みに寄せずに本物の家庭料理の味を追求しており、家族連れや女性客の利用が多い。
「広島に居ながら海外の雰囲気を味わえます。日本人にとっては地理的に距離が近くても、まだまだ遠い存在のロシアの魅力を一人でも多くの人に知ってもらいたい」