広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
モーニングの種類が豊富なカフェレストラン。兵庫県で同級生だった二人が広島で再開し、脱サラして開店から1周年を迎えた。
「働く世代を元気にする店をコンセプトに、広島では珍しい韓国風トーストサンドをメインでスタート。出勤前の会社員だけでなく、近所の年配の方やユースホステルの海外旅行者など、幅広ご来店くださるようになり、要望もあってトーストと卵、クロワッサンサンドやキッズメニューなどを追加しながら、今は店名にちなんで9種類の朝食メニューを提供しています」
昼は周囲の会社員のランチ需要に合わせて、パンやパスタに加えてご飯ものを追加。鉄板で焼く手ごねハンバーグやステーキの定食が定番となった。メニューの大半が1000円以内というのも、会社員を経験した二人のこだわりという。
「〝球根〟のように地域に根を下ろし、これからもお客さまの声を聞きながら、季節や時流に合わせたメニューを提供していきたい」
バルコムグループが飲食の新業態として5月10日に開いたシュラスコ(ブラジルの串焼き肉料理)店。約30年前に来日し、都内や神戸・沖縄などでシュラスコ店を立ち上げた。
「Jリーグ開幕の影響もあって1990年代にブラジル文化が流行し、渋谷に日本初のシュラスコ店が開店。私は93年に銀座の店でアルバイトから始めました。日本人の父がブラジルに渡り、イタリア人の母と結婚。私はブラジル生まれですが、父が呉市出身なので、広島出店の念願がかないました」
牛肉のランプ、イチボ、サガリなどのほか、豚肉など18種類のシュラスコメニューにサラダ・デザートブッフェが付く。ガーリック、塩、ソースなど素材に合わせた味付けを加えて専用オーブンで焼き、各テーブルを回り肉塊をその場で切り分けて提供する。
「ブラジルと日本の関係は100年以上の歴史がある。心待ちにしてくれていた広島在住の日系ブラジル人も多い。まるでブラジルに来たような、異国間あふれる楽しい場所にしたい」
近海などの魚介を使い、南イタリアの郷土料理を提供。同じビルに入る系列ケーキ店のオープンに合わせて昨秋、中区新天地から移転した。女性客が多く、デートや記念日にもよく使われる。
「広島国際学院高野球部の同期だったオーナーに誘われて入職しました。大阪で食べた手打ちパスタに感動し、広島でも多くの人に食べてもらいたいと作り方を研究。ショートからロングまで毎日数種類の自家製麺を用意し、カラスミのタリオリーニ(1500円)などが人気です。生麺ならではのコシや弾力、ソースの絡み具合を気に入り、再来してくださるお客さまが多い。猟師から直接仕入れる新鮮な鹿肉のジビエ料理もお薦めです」
理想の味や形を追求したいと、フォカッチャ、カラスミ、ハムなども手作りする。酒は化学肥料などを使わない「ナチュール(自然派)ワイン」を中心にラインアップ。気軽に来られる店にしたいと、客に気さくに話しかけて楽しい空間を演出する。
2月1日にオープンした鉄板料理店。焼肉店などで14年間の経験を積んだ店主が独立開業した。昼のハンバーグ食べ放題は男性1500円、女性1300円で、土日は開店直後に全24席が埋まり行列ができるという。
「予想以上の反響で驚くばかり。ライスやスープなどもお代わり自由です。ハンバーグのこだわりは、だしをつなぎに使うことと赤身の多さ。しっかりと肉のうまみを味わえます」
夜は居酒屋メニューが中心で、一押しの「極上厚切り牛タン焼き」や希少部位カイノミのステーキ、コウネのカルパッチョといった肉料理のほか、カキバターなどの海鮮も。酒は流行のハイボールやジンソーダ、赤白ワインなどをそろえる。
「ランチがあまりに好評なためにハンバーグ屋だと思われていますが、夜はお酒を飲みながら楽しく過ごせる店。現在、大型テレビの設置準備を進めており、カープ中継などを流せれば盛り上がる。球場からも徒歩圏内なので、試合後にぜひ寄っていただきたい」
地元の野菜や旬の素材を、添加物・化学調味料不使用で料理するイタリアン。4月25日、中区小町から同区幟町に移転する。
「地元の主婦らを中心に、多くの人に愛してもらった。新店舗では既存メニューやコンセプト『カラダにやさしく』を引き継ぎ、座席のバリエーションを増やした。個室や半個室、ロフト席を用意するほか、テラス席の設置も検討しています」
イタリア産の小麦粉を使った自家製の生パスタが看板メニューで、定番の「渡りガニのパスタ」など常時約30種類を用意。イタリア料理はワインとの相性が良く、ソムリエが予算や味の好みを聞いて、相性の良い銘柄と料理を提案する。常連にも毎回楽しんでもらえるよう、新メニューや期間限定品の開発に力を入れる。
「今春は桜の花びらを練り込んだパスタを提供しており、新店でもしばらく提供予定。桜は別れと出会いを連想させます。新旧店舗それぞれへの思いを込めた一品をぜひ味わってほしい」
バルコムグループで飲食事業のバルコムエミュー(事業本部・中区立町)が運営する鉄板料理店。広島、岡山、東京に同ブランドを10店舗展開。5月に開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)を見据え、3月25日にリニューアルオープンした。
「本通商店街や平和公園などに近い立地を強みに、観光客にも一層喜んでもらいたいと県産のカキや赤鶏などを使う新メニューを用意。お薦めは、わな猟で捕獲した東広島の新鮮なシカのロース・ヒレ肉ステーキで、クセや臭みがなく、赤ワインとのマリアージュは格別です。ジビエ料理の苦手な人にもぜひ味わってほしい」
白木の純和風から、黒やグレーを基調にしたモダンで落ち着いた内装に改装。客単価を上げて接待需要もさらに取り込みたいとする。
「当店を選んでくださるお客さまに気持ち良く過ごしてもらうため、元気にお迎えする、感謝の気持ちで丁寧に接客するといった凡事を徹底。長く愛される店づくりに努めます」
胡町の「すし家こばやし」の姉妹店で、8月に10周年を迎える。胡町電停から流川通りに入ってすぐに店を構え、ビジネスパーソンや国内外の観光客など幅広い層が来店する。
「気楽に楽しんでもらうために、接客や雰囲気づくりを工夫しています。軽い晩酌のほか、板前との会話を楽しむ人と一緒にお酒を飲ませてもらうことも。全てのお客さんが気持ち良く帰れるお店を目指します」
すしネタは、毎日状態が良いものを仕入れて常時30種類以上をそろえる。酒は日本酒を中心にビールやワイン、カクテルなどノンアルコールを含めて約20 種類。一品物は県外客向けにウニホーレンや、春の山菜、夏の小イワシなど季節を感じられる食材を使った天ぷらなどを提供する。
「時期によって人気の品は変わるが、トロタクは一年通してよく出ます。ノリを内側にする『裏巻き』で握り、外側には大葉を散らしているので酒のつまみにも合う。県内外から15銘柄をそろえる日本酒との相性も抜群です」
昨年2月に開店した中華料理店。フカヒレ、和牛フィレ肉、アワビなどの上質な食材を使った料理を提供する。ヒロコシグループの中国料理統括料理部長などを経て独立した。
「コロナ禍中の開店で宣伝も不十分でしたが、おかげさまで毎月お客さまが増えています。原価のかかる高級食材を割安に提供することで、本格四川料理をより身近に感じてもらえるように努めています」
メインのコースは天然フカヒレ姿の醤しょうゆ油煮込みのほか、冷菜盛り合せや海鮮、和牛料理、四川麻婆豆腐などの全8品(価格8800円)。より上質な食材を使うコースにも対応する。ワイン、シャンパンなども扱い、記念日や祝い事などの利用も多いという。
「お客さまの声を伺いながら提供したいと、オープンキッチンを囲むカウンター10席の店舗に。中華鍋の炒め技などを目でも楽しんでほしい。大皿でなく一人前ずつ料理をご用意しますので、気心知れた仲間やパートナーとの大切な時間をお過ごしください」
牛や豚の胃袋、腸といったさまざまな部位の天ぷらを提供する。西区福島町で長年親しまれるローカルグルメで、卓上の調理バサミで好みの大きさに切って食べるのが特徴。市内でラーメン店やバーなど飲食10業態を手掛けるプロセスプラン(安芸郡坂町)が運営する。
「通常の焼肉店であまり提供しないビチ(第4胃袋)、チギモ(ひ臓)、ヤオギモ(肺)などの独特の歯ごたえや味わいは、一度食べるとやみつきになります。臭みやぬめりを取るために手洗いでしっかりと下処理をしているので、女性やホルモンが苦手な方にも楽しんでほしい」
ホルモン野菜炒めなどの鉄板料理やうどんも用意。さまざまなホルモンを煮込んで塩で味を整えたでんがくうどんは、2軒目利用などの「締めの一杯」にも人気という。
「観光客も多く訪れる流川町に店を構えることで、お好み焼きや汁なし担々麺に並ぶ新たな広島名物にできるようアピールしたい」
さまざまな和風肉料理をコースで提供する割烹料理店。その日一番良い状態の国産牛を使った焼き・蒸し料理を扱う。㊑KANが運営し、姉妹店では肉を使った天ぷら、すしなども提供する。ワインとの組み合わせを勧めており、グラスに注ぐ時に初めて空気に触れるようたるで輸入し、繊細な和食に合う種類をそろえる。
「赤身は太く切って焼き物にしたり、サシが多い箇所はだしと合わせるなど肉の良さを最大限引き出す。『圧倒的な料理のおいしさの追求』を目指して、毎日メニューの試作を重ねるなど飽きさせない工夫を凝らします」
前職では、料理人としてだけでなく店舗全体のマネジメントも経験。経営者として、料理以外でもおいしいと感じる店づくりを追求する。
「お客さまの満足度を高めるには、良質なサービス提供も重要。従業員が仕事に不満を持つと接客態度に出る。調理過程を短縮する機械導入や、短時間勤務でも満足できる賃金体系など、働きやすい環境整備にも力を入れる」
市内のお好み焼き店で修行し、意気投合した2人と昨年12月5日に中区舟入でお好み焼き店をオープンした。元々すし屋だった店舗を自分たちで改装。テーブル5席、座敷テーブル8席をそろえる。一人当たりの席幅が広く、ゆったりと食事できる。
「ネギをたっぷり乗せ、紅ショウガのアクセントが効いたお好み焼きです。オリジナルの中太麺を入れてじっくり蒸し焼きに。口の中へ運んだ瞬間に麺がほぐれ、紅ショウガとよく絡めると酸っぱく、かむとジュワッと辛味があふれ、味の変化を楽しめます」
このほか、最近では酒のつまみになる鶏皮ポン酢やホルモン炒めといった一品料理の開発にも注力しており、宴会利用を見込む。
「コロナ禍で飲食店の閉店が相次ぐなど苦戦を強いられる中、舟入の一番店を目指して開業しました。3人で力を合わせ、お店を盛り上げています。遠方からもぜひ足を運んでいただきたい」
本誌読者と伝えれば、4月末まで持ち帰り含め一枚につき50円引き。
昨年8月にオープンしたオーガニックレストラン。むささび農園(東広島市)の無農薬米、山根酒店(安佐北区)の有機しょうゆ、無投薬や放牧の牛・豚肉など、ほぼ全ての材料を無添加や農薬・化学肥料不使用でそろえる。
「外食や市販の食品には信じられない量の添加物が含まれている。有機野菜や昔ながらの製法の調味料で病気にならない体をつくってほしい。オーガニックは薄味の印象があるが、素材や調味料のうまみを生かしてしっかり味付けしています」
無添加食品は保存期間が短く、すぐ切って冷凍するといった工夫を凝らす。子どもに食べてもらいたいと、ハンバーグ、唐揚げ、カレーといったメニューをそろえ、酸化防止剤不使用のワインなどアルコールも充実させた。
「食の安全に関する情報発信拠点を目指し、専門家を招いた添加物などの講座も不定期で開催。さまざまな社会問題についてお客さま同士で自由に話してもらう月1回のイベント『ゆらりナイト』も好評です」