広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
京橋のたもとの目を引くデザインの建物は、広島の造船技術を生かした鉄骨造りに和風のしつらえが調和しており、2019年のひろしま街づくりデザイン賞を受けた。
そばどころ山形のそばがベースの素朴な田舎そばを、実を保存する板箱で供する。北川尚勲料理長は、
「外殻を取って甘皮ごと石臼でひいた〝挽きぐるみ〟のそば。かみしめて味わえるように、一般的なそばより少し太めで短めに打っています」
そばつゆは、特注の配合の節と昆布で取るだしにしょうゆがきりっと香り、素朴なそばによく合う。
「ふらっと立ち寄って、焼きみそや板わさ、だし巻き卵などちょっとした料理をあてにお酒を飲み、そばで締める〝そば前〟の文化を、あまりなじみのない広島でも広めていきたい」
3000円コースは、酒肴と旬菜盛り、季節の天ぷらなどが付く。2人から、要予約。
東京、軽井沢、京都、イギリスで約13年間、修行を重ねた銀純洋オーナーが日本料理と仏料理の調理法でつくるオリジナルの和食フレンチ〝瀬戸内キュイジーヌ〟を提供する。カウンター越しに見えるいろりや木を基調とした和の落ち着いた雰囲気が特徴で、肩肘張らず女性1人でも来店しやすい店づくりを目指す。オーナーは県主催の料理コンクールでファイナリストに選出されており、商工会議所や日本政策金融公庫での講談や、地元企業主催の料理教室の講師なども務める。
「技術面で地方の飲食店にもまだまだできることがあると実感しています。真空調理や低温調理、瞬間薫製など、一般的な食材に最新の技術を使い、求めやすい価格で提供することで広島の食文化向上に努めたい」
瀬戸内の魚介類や野菜など旬の食材を使った全7〜8品のコース「かしはら」5000円が人気という。
和テイストを盛り込んだ和洋創作料理を提供するイタリア料理店。3月で7年目を迎える。広島市南区出身で、県内和食店をはじめ、東京の老舗ホテルでフレンチやイタリアン、北海道でジンギスカン料理など幅広く経験を積んだ住本茂店主は、
「開店当初から洋食にとらわれず、いろいろな料理を楽しんでもらえるように要望があればみそ汁や煮物も作る。メニューにない料理ばかりを頼む常連さんもいます」
店内にルアーやリールなどを飾るほどの釣り好きで、店休日には旧知の経営者など常連客と遊漁船で近海に繰り出し、釣果をメニューに加えることも。持ち込みにも応じる。
「ランチでハモのフリットを出したり、県北で食べられるワニ(サメ)料理を前菜で出したりと、目の前のお客さまにいかに楽しんでもらえるかを大切にしています。コロナ禍で始めたカレーのテークアウトが口コミで人気が広がるなど、地元の人に支えてもらっている。縁を大事に、愛される店づくりに一層まい進します」
胡町本店、福屋広島駅前店など9カ所のお好み焼き・鉄板焼き店を展開する。蔵原春利社長は、
「商業施設の営業日に準じる店舗を除き、コロナ感染防止の営業自粛要請に可能な限り協力しています。ウォルト、フードパンダの宅配サービスが利用でき、イオンモールの広島府中と祇園店は2月から出前館に対応予定。もともと麺全体をしっかりと焼く方針で、宅配やテークアウトでもベチャッとした食感にならず、おいしいです」
国産小麦粉100%の特製麺をはじめ、地産地消で庄原市高野町などの県産キャベツ、免疫力を高める竹粉配合の無農薬エサで育てられた県北部の鶏卵を使う。センナリのHACCP認定工場で作る特製ソースも強み。食の安全と味の両立を追求している。営業中の店舗の出入り口にはタブレット型自動検温器や消毒スタンドを備え、全テーブルに消毒液を置く。お好み焼き店には大きなダクトがあり、換気が十分にされているという。
「つらいのは私どもだけではありません。どんな状況でも焼き手が最高の一枚一枚を積み重ねていくことが、これからも五ェ門が愛される唯一の道だと思っています。常連さんからの励ましの言葉が何よりうれしい」
新年は汁なし担々麺のような風味の「担々焼きそば」のタレを一新する予定。
広島の新鮮な素材を生かした日本料理を提供。1月20日、中区幟町から胡町に拡張移転する。髙山和典代表は、
「このご時世の中でも、旧年中は例年以上に多くのお客さまのご支持を頂き感謝。新店舗ではよりお気軽に来店していただけるよう、予約不要の一品料理も取りそろえます。〝新生髙山〟にぜひご期待ください」
神田川俊郎さんの日本料理「神田川本店」(大阪)で修業を積み、県内のホテルの料理長などを経て独立。2011年から西日本調理研究会の会長を務める。飲食業には税理士、不動産業者など、多くの業種がかかわるため、後進のための情報交換の場づくりにも積極的だ。
「冷凍アナゴ飯(1500円)を開発し、商品化。ただいま先行発売中で、ネット販売も計画しています。恒例となった節分の恵方巻きも予約を受け付けています」