広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
中区大手町のインド料理店「チュリヤカナック」の2号店として7月4日にオープンした。チョードリー・サマール社長は、
「鶏肉などの脂身を丁寧に取り除き、油を控えたヘルシーなカレーを提供。当店独自ブレンドのスパイスを使い、辛みを控えた料理は小さなお子さまにも好評です」
祖母から日本と広島・長崎の話を聞かされて育ち、昔から平和に対する関心が高かったという。店名はヒンディー語で鳥と平和を意味する。
「約20年前に観光で日本を訪れ、移住を決意するほど、ほれ込んだ。ただ、当時は肉を食べないベジタリアンや乳製品も食べないビーガン、イスラム教徒へのハラールに対応した店がなく、そうした人が安心して食事ができる場所をと1号店のチュリヤカナックを2010年に開店。今ではリピーターや常連のお客さんが多く、お店の味を知り合いに送りたいという声に応え、一部を冷凍販売しています」
ラッシーに使うヨーグルトやサラダのドレッシングなど、自家製にこだわる。広々とした店内はウッドデッキがあり、貸し切り・個室でのパーティーにも応じる。
創業21年目を迎えたバーラウンジ。店を切り盛りする森下優さんは、
「ここまであっという間でした。コロナ禍で人の流れが大きく変わり、流川界隈一帯で盛り上げていかなければと思っています」
7月から中区本通の「ミニFM広島マチナカ」で自身がパーソナリティーの番組「ゆーちゃんねる」を開始。毎月1回、地域の飲食経営者などに話を聞く。また県観光連盟のHITひろしま観光大使としてSNSで情報発信に努め、同連盟から特別賞に選ばれた。公私で地域の魅力発信に取り組む。
「コロナで苦しいのは皆一緒。協力し合って乗り切りたいですね」
北九州市出身でこの店の開業を数カ月だけ応援する予定が、居心地が良くなりそのまま移住。4年後には前オーナーから経営を継いだ。高級車ランボルギーニの創業者がイタリアに設けたワイナリーのスパークリングワインを扱う。
「女性のお客さまにもゆっくりと過ごしていただける店にしたい」
「気軽に日本酒を愉しむ」をコンセプトに、日本酒をワイングラスで提供。芳醇でフルーティーな初心者でも飲みやすい銘柄を中心に常時約80種類以上をそろえる。深井和久代表は、
「同形態の店を福岡で知った際、隣で飲む外国人に日本酒のことを聞かれてもうまく答えられず、もっと日本酒を知りたいと思ったのが出店のきっかけ。若い方にもっとカジュアルに日本酒に親しんでもらいたい」
ワインに比べ、55度以上の「飛び切り燗」から、冷蔵庫から出した直後の「雪冷え」まで、幅広い温度帯で味わえるのが魅力。香りもワイングラスにすることで一層楽しめるという。
「飲みやすくラベルもかわいい高千代(新潟)などが売れ筋。できるだけフレッシュなお酒を提供できるよう、大半を四合瓶でご用意しています。外国人のお客さまも多く、海外にも日本酒の魅力を発信していきたい」
広電的場町電停前の墨文字ののれんが目印。黒毛和牛の肉を提供し、7月に開店4周年を迎えた。6〜7割が常連客という。稲垣洋介社長は、
「黒毛和牛は牛肉の中で最もおいしいと思う。安心して味わってもらえるようにロースやヒレなどはもちろんタンやハラミまで全て国産。新鮮でジューシーさや焼いた香りの良さがまったく違います」
肉はどれもオーダーが入ってから手切りし、不要な脂身や筋などをきれいに取り除く。部位に合わせてたれも10種類を使い分け、丁寧な仕事でそれぞれの味わいを生かす。手軽においしく焼けるように卓上では火力が一定のガスロースターを使用。生ビールやハイボール、マッコリのほか、赤ワインを合わせる人も。
「社用など30代以上のお客さまが多いですが、最近は若い人も増えています。これからも〝何を食べてもおいしい〟と言ってもらえる店を目指します」
火鍋の本場中国で1000店舗を超える人気の専門店。フランチャイズ形式で2月に国内初出店した。中国・重慶出身の大田真希オーナー(32)は、
「元々同じ場所にあった中華料理『中国飯店』を約4年前に引き継ぎましたが、団体客がメインだったのでコロナ禍の影響を大きく受けました。中国飯店は同所で60年以上の歴史があり、この場所を守るためにも業態を変えて再出発しました。ここでしか食べられない本場の火鍋料理を味わってもらいたい」
デトックス効果が期待できるという火鍋は一つの鍋で1〜3種類のスープが選べる。ザリガニの屋台炒めなど日本で珍しい料理なども提供する。
「重慶の雰囲気を再現するために内装にもこだわっており、ネオンなどの装飾できらびやかな異世界空間を演出しています。スタッフの大半は中国人なので広島に居ながら旅行気分が味わえます。SNS映えも間違いなしです」
旬の野菜を使った創作和食を中心に提供する。昼は数種類から選べる「味噌汁とおにぎりの定食」(1400円)などを用意。インスタを中心に口コミで広がり、客席が5回転するほど行列が続く。永山龍之助店主は、
「これまで口にした中で一番だと思う江田島の麦みそを使用。売れ筋の『焼き野菜と和牛すじの味噌汁』は焼きトマトの酸味と牛すじが好相性で、野菜がたくさんとれると女性に喜ばれています」
夜は料理との相性を考慮し、すっきりと淡麗な味わいの日本酒を中心に取りそろえている。夏場はトウモロコシのかき揚げや、熟す前の「新ぎんなん」の素揚げなどが特においしいという。
「万願寺とうがらしなど家庭では手に入りにくい野菜も入荷。好評のウナギのおにぎりも始めました。人はおいしい料理を食べると幸せを感じるもの。暑さとコロナで大変な夏ですが、皆さんに健康と喜びを与える店を目指したい」
市内有数の規模を誇る常時200匹の魚が泳ぐいけすが自慢の海鮮料理店。店名は焼き鳥店として創業した当時の名残という。上瀬将オーナーは、
「コロナ禍で閑散としていた繁華街にようやく人出が戻ってきました。通常営業できることが何よりうれしい。元々両親が始めた店で、母が今も元気に注文を取ってくれています。父も元気ですが、一緒に厨房に立つと考え方の違いで取っ組み合いのケンカになるので、今は私に店を任せてもらっています。互いに少しでも店を良くしたいという思いが強く、頑固で真面目な性格は父親譲りなのかもしれません」
扱う魚の種類も市内屈指で、お薦めは上品な甘みと歯ごたえが特徴のカワハギの造りという。
「あらゆる業界で機械化が進んでいますが、料理は人間ならではの仕事だと感じています。肉を切る作業一つにしても、このくらいの大きさに切れば歯ごたえが良いだろうという、人ならではの感覚や遊びを大切にしています」
岡本将治店主が腕を振るう創作料理中心の居酒屋。5月で3周年を迎えた。
「知り合いが知り合いを呼び、そのつながりのおかげで周年を迎えられた。尊敬できる仲間たちに恵まれ、ありがたい」
企業勤務を経て、大学の頃から描く飲食店開業の夢を42歳でかなえた。
「他店で修行せずに独立した人は珍しいのでは。だからきちんとした店の料理というより家庭料理。それを目当てに、酒を飲まずに晩ご飯を食べに来る人も」
一番人気は鶏エビ餃子。セセリとモモのミンチにエビ、ニラを混ぜ込んで焼き上げ、ポン酢ラー油やレモスコに付けて食べてもらう。鶏料理の人気店からレシピをもらった「肉みそ」を使うジャージャーシリーズのご飯物も定番だ。余暇で釣った瀬戸内の魚がメニューに並ぶことも。毎日40品目ほどで来店客をもてなす。肩肘を張らず、自分らしい店づくりを楽しむ。
カウンター席から見える調理場で焼かれたステーキやハンバーグなどをカジュアルに楽しめる鉄板焼き店。メイン料理は肉を中心に約30種で、仕入れや仕込みは髙田敏行オーナーが自ら行う。
「口に入れた時の第一印象を大切にしており、少し濃いめの味付けにしています。おすすめはオリジナルのお好み焼き『zaza焼き』です。ふんわりとした生地にだしの味を利かせ、締めに注文する常連さんも多い。お通しで出している季節のポタージュスープもわざわざ単品で注文し直す人がいるほど人気の一品です」
4月に店内の一角をシミュレーションゴルフスタジオに改装。クラブや手袋など一式を貸し出し、手ぶらでラウンドできる。
「グループで来店し、自分の打順まで食事をして待つなど、ゴルフ場ではできない楽しみ方も。将来的には常連さんを集めて店内でゴルフコンペも開催したいですね」
「みっちゃん総本店」を展開するISE広島育ち(佐伯区)が2013年に中区のそごう広島店に開いたお好み焼き店。白と黒を基調にしたモダンな店内で、広島牛のサーロインステーキや牡蠣のバター醤油ソテーなど県産食材を使うメニューもそろえる。金川裕司店長代理は、
「お好み焼きを鉄板料理のコースの中に盛り込んだ新しいスタイルの店です。食を通じて〝広島〟を感じられると、観光客や接待利用も多い。県産のワインや日本酒とのマリアージュを楽しんでほしい」
6月に岡山の「暮らしと珈琲」のコーヒーを提供開始。自社のソースの甘みや酸味と合うように焙煎し、苦みのある味わいにした。
「意外な組み合わせと感じるかもしれませんが、食事の締めに飲むと風味が変わる不思議な1杯。反響次第で豆の販売も視野に入れています。〝広島のソウルフード〟の価値向上を目指し、今後もさまざまな仕掛けを企画したい」
シェラトングランドホテル広島内のブッフェレストラン。開業から11年で初の大幅改装に踏み切り、6月23日に営業再開した。内装はウッド調を基調に瑠璃・白銅・琥珀などのアースカラーを用いて瀬戸内の自然を再現し、シンプルでモダンな雰囲気に。ブッフェコーナーには3人のシェフが常駐し、客と対面しながら料理を仕上げて提供する。ホテル業界で約40年となる、山本正彦総料理長は仏料理を中心に宴会などにも対応する。
「味・質・サービス・雰囲気、全てにおいて広島一番を目指します」
と意気込む。リニューアルに向けて数年間、後輩・先輩のホテルを視察して情報収集したという。「シェフがいて、常に作り手が見える安心感を提供したい。料理をとってもらうときの会話はもちろん、『(料理は)温かかったですか』と、食後のコミュニケーションも重要視。当たり前のことですが、温かいものは温かい状態で召し上がってほしい」
調理台は全てフラットにし、大理石の調理台で保冷・保温をするなど工夫を凝らした。1日8人限定のディナーコース「シェフズテーブル」も新たに始める。
県外からもプロレス好きが集まるメキシコ料理店。広島で旗揚げしたダブプロレスのレスラー、レイ・パロマこと熊谷次郎店主は、
「修行先のメキシコの屋台で食べた本場の味が懐かしく、川岸に夕日が沈む風景が現地と似たこの場所が気に入って2016年に開店。知らない方同士がプロレス談義や酒、料理を介してつながれる店です」
トウモロコシ粉・マサ100%の香ばしいタコスや炎のエビのテキーラいため、赤身肉のメキシコ産牛肉ステーキなど現地を感じる料理のほか、熊谷氏の実家の醸造所が造る甘口醤しょうゆ油で味付けした唐揚げ、だしが好評なアカプルコ鍋が人気という。
「直輸入のテキーラを目当てに来るお客さんもいます。〝ただ強い酒〟と思われがちですが、地酒のように産地ごとに違う風味をゆっくり堪能してほしい。いろいろな飲み方も試してください」
店内では迫力のあるマットプロレスイベントのほか、ミュージシャンのライブ、スペイン語講座なども行う。