広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
流川で働く人も楽しめるよう、翌朝の午前9時まで営業しているしゃぶしゃぶ・すき焼き専門店。今月でオープンから丸9年を迎えた。
「扱う牛肉は最高級A5ランクの中でも上位の等級を厳選しています。融点が低く常温でも脂身が溶け出してしまうので、あえて半解凍で提供するほど。一度食べたら病みつきになること必至です。豚肉は『黒いダイヤモンド』こと鹿児島県産の黒豚と、良質なミネラル、アミノ酸を豊富に含む広島県産のカキ殻を食べて育った『瀬戸もみじ豚』を使用。手作りのポン酢と、当店秘伝のゴマダレでお召し上がりください」
先付とお肉、地産新鮮野菜の盛り合わせ、御飯物、うどん、デザートの「贅沢至極の松阪牛しゃぶしゃぶプレミアムコース」(1万2000円)が人気という。
「生ビールやハイボールは600円台で提供し、日本酒や焼酎なども豊富に用意。キャビアやトリュフなど高級食材も。良質な肉を提供し続け、広島を代表する店を目指したい」
南仏のミシュラン一つ星レストランで修業を積んだシェフが夫妻で営むフランス料理店。店名は修業先から譲り受け、仏語で「宇宙」を意味する。野菜中心や、バターの代わりにオリーブオイルを使うなど特徴的な同地域の「ニース料理」に特化した創作料理と、ワインのペアリングを楽しめる。
「現地で教わった〝材料を選んでから料理を決める〟という考え方に感銘を受け、当店でも食材選びにとことんこだわる。東広島市志和町で採れた野菜をはじめ、育成頭数が少なく市場に出回ることがまれな比婆牛、もみじ豚など県産食材を主に仕入れています。日によってコースメニューが変わるのも、来店時の楽しみの一つです」
昼夜ともに2組限定で、4月は常に満席だった。最近では、カップルの記念日として利用する20代後半の客層が増えたという。
「お客さまから『ここでごちそうを食べるために仕事を頑張りました』といった声を頂くことが、大変励みになる。今後も妻と切磋琢磨(せっさたくま)していきます」
流川最大規模の大型店で、最大100人を収容。メインフロアにグランドピアノがある。5月20日の20周年にあたり、20〜22日に周年イベントを開く。松岡歩ママは、
「皆さまの温かいご支援とご愛顧のおかげです。今年のテーマは『REBORN』。伝統を守り続けながら、お客さまの声によって次なる発想や新たな価値を生み出し、一層居心地の良い空間を提供していきたい。周年イベントでは総額200万円の還元抽選会を実施。20年の感謝を込めたスペシャルな夜をお楽しみください」
新たにVIP会員制度を設けた。会員限定イベントやボトルなどの値引きほか、月1回の個室無料などの特典が付く。月会費1万1000円。5月末までの入会で入会金1万1000円を無料とする。
「重ねた月日に甘えず、時代の変化に合わせたサービスと新しいチャレンジを続けます。笑顔で元気に、店名の通り、『他にはないサービス』を貫き通し、ブランドを守りぬきたい」
4月11日、広島駅に近い東区光町に念願だったお好み焼き店をオープンした。
「定期的に食べたくなる。そんな定番の『肉玉そば』にこだわりたい。まずは地元の人に愛される店を目指す」
磯野製麺の麺をパリッと焼き上げ、キャベツは水っぽくならないよう極力触らず蒸し焼きに。テンポよく鉄板の上でさばき、注文からなるべく短時間での提供に努める。
独立前はリサイクル事業のコーヨー(安佐南区)に20年勤務。不動産業を営んだ父親、お好み焼き店を開業した姉や友人を見て、40歳を前に独立心がかき立てられた。辞める覚悟で同社の三井弘樹社長に相談すると「一緒にやろう」とまさかの声掛け。立ち上げた会社に100%出資を受けた。約1年の修行を経て独立。店の切り盛りは夫人と、修行先の同僚を社員に迎えた。
「やるからには『広島ナンバーワン』と言われるお好み焼きを提供したい」
その志を社名「(株)H.one」に込め、腕を磨き続ける覚悟だ。
宮島の表参道商店街を外れた町屋通りに位置する、築100年以上の邸宅を改装したイタリアンレストラン。ANAクラウンプラザホテルに約30年間勤め、総料理長などを歴任した。
「コースでは、穴子のペペロンチーノや広島牛の赤ワイン煮込みなど、県内食材をふんだんに使った料理を提供。店内でもG7サミットで使われたマルニ木工の『ヒロシマアームチェア』を採用し、さまざまな角度で広島を体感できる空間に仕上げています」
コロナ禍の影響が和らぎ、この1年間で休・平日問わず来島者が急増したという。一方、島内で夜営業の飲食店は意外に少なく、宮島の夜はいわば〝夕食難民〟の訪日観光客でごった返していると話す。
「ディナーは予約限定のため、ふらっと立ち寄った海外のお客さまを断るケースが多くなり、申し訳なさを感じています。飲食店を探し回ることなく島時間をゆったりと過ごしていただきたいので、今後は予約なしの方に対応する単品メニューもそろえたい」
平和大通りの緑地帯に面する、カフェ併設の飲食施設「PLACE」内に3月23日にオープンした。生カキ「かきむすめ」、比婆牛のステーキなど県産食材にこだわったメニューを提供。seeds(安佐南区)の小野敏史社長と店を切り盛りする。
「広島には歴史があり、おいしい食材も多く、ポテンシャルは高い。県外出身だからこそ分かる、広島の魅力を広く伝える役割を担いたいです」
大阪府出身で日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)に所属し、2010年に引退。以降も食育指導などでスポーツ選手とのつながりを続け、21年にスポーツ関連の仕事で広島に移り住んだ。
「引退後に飲食店を開きたいと考えていましたが、やはり厳しい業界であきらめかけていました。食材のおいしさを保つ冷凍事業を手掛ける小野さんに出会い道が開けました。効率的なオペレーションを実現し、スポーツ選手のセカンドキャリアのモデルケースになることも、この店の目標です」
約800本のウイスキーと、フルーツカクテルをメインに提供。22歳の時に、歓楽街の駐車場の一角を間借りしてタクシーや代行を待つ人向けに始めた。当初は酒は苦手で知識もなく、昼に派遣の仕事をしながら、バーテンダースクールに通い試行錯誤する日々を送った。
「特にウイスキーは何を飲んでもしっくりこない。それでもあらゆる酒を試飲し続けて、ある日、独特の蜂蜜の風味が特徴のバルウェニーを飲んだとき、初めておいしいと感動。バラバラのピースがカチッとはまった瞬間でした」
それからこの世界にはまって、蒸留所を巡り、国内外の作り手に会いに行った。4月はカリブ海マルティニークを巡り、ラム酒を取り扱う予定。
「ウイスキーの中には熟成に50年以上かかるものもあり、完成前に引退する職人も。手塩にかけて育てたものを次の世代につなぎ、託していく。そんな世界観に引かれました」
珍しい銘柄を求めて、ウイスキー好きが県外、海外からも集う。蒸留所について語らう時間が至福の時だという。
建築設計事務所のサポーズデザインオフィス(中区猫屋町)が経営。昨年9月に開いたオフィス、飲食、サウナなどの複合施設「猫屋町ビルヂング」内に入り、「社員+社会の食堂」をテーマに旬や地域の食材を活用し、栄養バランスに配慮したメニューをそろえる。看板メニューの「ねこやプレート」は日替わりの2種類のメインともち麦ご飯に、野菜のへたなどでだしを取るスープが付き、女性客が多い。東京の系列店で経験を積み、開店に合わせ来広した吾妻尚美店長は、
「長いもとクリームチーズを使う春巻きなど一工夫加えたつまみも人気。自家製シロップを使うノンアルドリンクや鍋などサウナ後に合う『サ飯』もあります。フレンドリーな接客を通して、また来たくなる店を目指します」
2次会のケータリング依頼なども増え、手応えを感じているという。
「今後は地域の事業者と連携したイベントなどを積極的に開き、天候の悪い日や休日も人通りの絶えない、活気のある町にするのが目標です」
3月1日、袋町公園近くにオープンしたビールバー。ベルギービールと国産品を4種ずつ厳選し、一杯1000円前後で提供する。
「ベルギー産は度数が高く、甘みと苦みの調和が特徴。東京で会社員をしていた頃に専門店でおいしさを知り、海を渡って現地の醸造所のインターンに行くほど好きになりました。国産も東京時代に出会った品が中心で、例えば神奈川県鎌倉市のヨロッコビールを県内で扱うのは当店だけ。いずれも私が造り手と話し、信頼できると思った銘柄です。味だけでなく、彼らが込めた思いやストーリーも感じてほしい」
オーナーは袋町小学校卒業生。地元の話で盛り上がるほか、崇徳中・高や明治大学の同窓生が来店することも。
「地の利を生かした接客で幅広い層へビールの魅力を伝えるほか、将来は近隣の店とのコラボなどを通じ、地域に恩返しができればうれしい」
つまみ類は好相性のチーズやピスタチオなど。持ち帰り用に100種以上のボトル酒を販売する一角もある。
3月5日にオープンしたフランス料理店。不動産業のアイエス(中区、石井権一郎社長)が企画した若手アート作家の活動拠点「アートビル」の2階に入り、神戸の洋食店やビストロなどで修行したオーナーシェフがアラカルトを中心に振る舞う。
「肩肘張らずに〝NEUTRAL(ニュートラル)〟な気持ちで過ごしてほしいという思いを店名に込めました。5階建てのビル全体がアートを楽しめる空間で、当店の壁面に展示する作品を購入することもできます。ワインや食事を楽しみながらアートを語り合える場にしたい」
パテ・ド・カンパーニュやレバーコンフィ、自家製ソーセージなどの肉料理を看板メニューに据える。午後3〜6時には、夕食前に軽く酒とつまみを楽しむフランスならではの「アペロタイム」を用意する。
「ディナータイムの仕込みをしながら、お客さんと一緒に『0次会』のように過ごす優しいひととき。こんな時間も含めて当店らしさを味わってほしいですね」
日本料理店「馳走啐啄一十(ちそう そったくいと)」(中区富士見町)の離れ兼会員制サロンとして昨年10月末にオープンした。2024年3月末までの期間は、ビジター利用も受け付けている。
「おかげさまで本店は『食べログ』の総合ランキングで、全国約86万件中34位(2月26日時点)に。ご利用者さまのプライバシーを大切にしたいと考え、あえてビルの屋上に空間を作り込み、静かで穏やかなひとときを過ごせる大人の隠れ家に仕上げました。木を基調とした和の空間は京都をイメージ。心身の疲れを癒やし、ゆとりある時間を過ごしてもらいたい」
料金はドリンク、サービス代全て込みで1万1000円。高品質なワインや日本酒、ウイスキー、焼酎のほか、豆からひくコーヒーや旬のフルーツなどを提供する。
「会議や打ち合わせで使いたい方、仕出しを使っての宴席など、ご要望に応じて柔軟に対応いたします。『懐(かい)』には、懐かしく、慣れ親しまれる店にしていきたいという思いを込めました」
2023年7月にオープンした居酒屋。野菜や肉と一緒に焼きそばとソースを包んで焼く看板メニューの「広島お好み焼餃子」を中心に、シソ、ショウガなど定番6種を提供している。
「広島お好み焼餃子は上からソースとマヨネーズ、青のりをかけて提供するので、ギョーザというより一口サイズのお好み焼きを食べる感覚。粉物感がないので酒はもちろんご飯にも合います。最も多い客層の若い女性の中で、一番人気はシソギョーザ。あっさりとした味わいで、ゆでた水ギョーザでの注文も多いです」
中国やタイの銘柄も置くビールほか、日本酒、ハイボール、チューハイなどを扱う。午後2〜5時は一部ドリンクを300円で提供している。
「ギョーザ1皿とお酒を1〜2杯だけ頼む『サク飲み』のお客さんが大半ですが、飲み放題付きのコース料理があるので、貸し切りで20人前後の利用もできます。地下に店舗があって初めての人には入りにくいとも言われますが、気軽に足を運んでほしい」