広島の経営者がおすすめするグルメやナイトライフのお店を紹介。
ワインエキスパートの有資格者で、北海道でマナー講師などの経験がある店主が、道産と広島県産食材が中心の料理と酒を提供する。
「北海道の人脈で旬の農・海産物を仕入れているほか、広島にもカキ、ジビエ肉といった素晴らしい食材が多くあります。それらに合うワインをお薦めするのはもちろん、お客さまが持ち込まれた酒の銘柄に応じて好相性の料理を出すことも。固定メニューがないのが特徴で、毎日新しい味の組み合わせを楽しんでいただけます」
接遇面では講師のスキルを生かし、ゆったりくつろげる隠れ家のような店をコンセプトに掲げる。
「店名と場所(中区銀山町)から夜の店と思われがちですが、例えば予約制でアフタヌーンティー付きのランチコースを提供するなど柔軟な対応を心掛けています。基本の営業時間はあるものの、時間外の要望があればご相談ください。貸し切り対応も可能です。海外で10年近く暮らしていたので、英語でのおもてなしも承ります」
シェラトングランドホテル広島7階で、すし、鉄板焼き、会席を提供する。5月24日にリフレッシュオープンし、メニュー内容や内装・インテリア・器などを刷新した。職人が専用のカウンター席で出来たて焼きたてをふるまうスタイルはこれまで通り。
「結納・顔合わせなどの利用が増えたことから、新たに3〜8人用の半個室を設置。一枚板のテーブルが上質な雰囲気を演出するほか、大きな窓を備え開放感もあります。鉄板部門では広島牛と月替わりのブランド牛を用意。すし部門では、すし会席『葵』(1万円)がおすすめ。すし職人が目の前で握って提供するライブ感や会話も楽しんでもらいたい。季節ごとの厳選・希少食材をご堪能いただけます」
秋からは鍋料理の提供も予定。外国人の利用も増加傾向で、宗教やアレルギーにも柔軟に対応する。
「料理だけでなく、雰囲気、サービス含めトータルで100点になることが、お客さまへの最高のおもてなしだと考えます。安心して訪れてもらいたい」
中区本川町のテナントビルの最も奥にある一室に、こぢんまりと店を構える。コロナ禍の2021年12月にオープンし、口コミ中心に客を広げる。
「9人しか入れない小さなお店です。少人数でお酒を片手に会話を楽しんだり、好きな歌を歌ったり。50〜60代を中心とする同世代のお客さまに1日の疲れを癒やし、ゆっくりと過ごしてもらえる店を目指しています」
アルバイトでのスナック勤務を経て、一念発起し独立を決めた。ウイスキーを中心に各種アルコールをそろえる。食べ物の持ち込みは自由で、時にカウンターに総菜が並ぶことも。女性の数人グループの来客もしばしば。来店客と会話を楽しみつつ、つながりを大事にした接客を心掛ける。
「貸し切りにも対応します。商談など大事な場面に使っていただければ」
店内は安佐南区の福祉施設に通う障害のある子どもたちの描いたネコの絵がずらり。気に入れば購入もできる。
「かわいらしい絵が多い。子どもの豊かな感性を大切にしてあげたい」
4月に創業6周年を迎えた町の中華店。中国山東省出身の夫妻が経営する。3月に数件南側に新築移転した。
「前の店は狭くていつも行列になっていたので席数を倍に増やし、団体利用も受けられるように8人掛けの席も設けました。それでも昼は行列ができ、うれしい誤算です」
料理を担当する夫の藩さんは中国でホテルに勤務後、20年前に来日した。友人を頼って広島を訪れ、中華や和食の店、居酒屋などで十数年経験を積んで独立した。唐揚げ、焼き餃子、五目焼きそば、八宝菜、天津飯など、幅広い年齢層になじみのあるメニューを、経験を生かして日本人に合う味付けにしているという。メニューのほとんどを1000円以内で提供。ランチでは人気の麻婆豆腐と炒飯のセットなどを、宴会利用にはコースメニューを用意する。
「休日は家族連れやグループの利用が増えてうれしい。移転後からのお客さんはもちろん、遠くからも来てくれる常連さんも大事にしていきたい」
流川で働く人も楽しめるよう、翌朝の午前9時まで営業しているしゃぶしゃぶ・すき焼き専門店。今月でオープンから丸9年を迎えた。
「扱う牛肉は最高級A5ランクの中でも上位の等級を厳選しています。融点が低く常温でも脂身が溶け出してしまうので、あえて半解凍で提供するほど。一度食べたら病みつきになること必至です。豚肉は『黒いダイヤモンド』こと鹿児島県産の黒豚と、良質なミネラル、アミノ酸を豊富に含む広島県産のカキ殻を食べて育った『瀬戸もみじ豚』を使用。手作りのポン酢と、当店秘伝のゴマダレでお召し上がりください」
先付とお肉、地産新鮮野菜の盛り合わせ、御飯物、うどん、デザートの「贅沢至極の松阪牛しゃぶしゃぶプレミアムコース」(1万2000円)が人気という。
「生ビールやハイボールは600円台で提供し、日本酒や焼酎なども豊富に用意。キャビアやトリュフなど高級食材も。良質な肉を提供し続け、広島を代表する店を目指したい」
南仏のミシュラン一つ星レストランで修業を積んだシェフが夫妻で営むフランス料理店。店名は修業先から譲り受け、仏語で「宇宙」を意味する。野菜中心や、バターの代わりにオリーブオイルを使うなど特徴的な同地域の「ニース料理」に特化した創作料理と、ワインのペアリングを楽しめる。
「現地で教わった〝材料を選んでから料理を決める〟という考え方に感銘を受け、当店でも食材選びにとことんこだわる。東広島市志和町で採れた野菜をはじめ、育成頭数が少なく市場に出回ることがまれな比婆牛、もみじ豚など県産食材を主に仕入れています。日によってコースメニューが変わるのも、来店時の楽しみの一つです」
昼夜ともに2組限定で、4月は常に満席だった。最近では、カップルの記念日として利用する20代後半の客層が増えたという。
「お客さまから『ここでごちそうを食べるために仕事を頑張りました』といった声を頂くことが、大変励みになる。今後も妻と切磋琢磨(せっさたくま)していきます」
流川最大規模の大型店で、最大100人を収容。メインフロアにグランドピアノがある。5月20日の20周年にあたり、20〜22日に周年イベントを開く。松岡歩ママは、
「皆さまの温かいご支援とご愛顧のおかげです。今年のテーマは『REBORN』。伝統を守り続けながら、お客さまの声によって次なる発想や新たな価値を生み出し、一層居心地の良い空間を提供していきたい。周年イベントでは総額200万円の還元抽選会を実施。20年の感謝を込めたスペシャルな夜をお楽しみください」
新たにVIP会員制度を設けた。会員限定イベントやボトルなどの値引きほか、月1回の個室無料などの特典が付く。月会費1万1000円。5月末までの入会で入会金1万1000円を無料とする。
「重ねた月日に甘えず、時代の変化に合わせたサービスと新しいチャレンジを続けます。笑顔で元気に、店名の通り、『他にはないサービス』を貫き通し、ブランドを守りぬきたい」
4月11日、広島駅に近い東区光町に念願だったお好み焼き店をオープンした。
「定期的に食べたくなる。そんな定番の『肉玉そば』にこだわりたい。まずは地元の人に愛される店を目指す」
磯野製麺の麺をパリッと焼き上げ、キャベツは水っぽくならないよう極力触らず蒸し焼きに。テンポよく鉄板の上でさばき、注文からなるべく短時間での提供に努める。
独立前はリサイクル事業のコーヨー(安佐南区)に20年勤務。不動産業を営んだ父親、お好み焼き店を開業した姉や友人を見て、40歳を前に独立心がかき立てられた。辞める覚悟で同社の三井弘樹社長に相談すると「一緒にやろう」とまさかの声掛け。立ち上げた会社に100%出資を受けた。約1年の修行を経て独立。店の切り盛りは夫人と、修行先の同僚を社員に迎えた。
「やるからには『広島ナンバーワン』と言われるお好み焼きを提供したい」
その志を社名「(株)H.one」に込め、腕を磨き続ける覚悟だ。
宮島の表参道商店街を外れた町屋通りに位置する、築100年以上の邸宅を改装したイタリアンレストラン。ANAクラウンプラザホテルに約30年間勤め、総料理長などを歴任した。
「コースでは、穴子のペペロンチーノや広島牛の赤ワイン煮込みなど、県内食材をふんだんに使った料理を提供。店内でもG7サミットで使われたマルニ木工の『ヒロシマアームチェア』を採用し、さまざまな角度で広島を体感できる空間に仕上げています」
コロナ禍の影響が和らぎ、この1年間で休・平日問わず来島者が急増したという。一方、島内で夜営業の飲食店は意外に少なく、宮島の夜はいわば〝夕食難民〟の訪日観光客でごった返していると話す。
「ディナーは予約限定のため、ふらっと立ち寄った海外のお客さまを断るケースが多くなり、申し訳なさを感じています。飲食店を探し回ることなく島時間をゆったりと過ごしていただきたいので、今後は予約なしの方に対応する単品メニューもそろえたい」
平和大通りの緑地帯に面する、カフェ併設の飲食施設「PLACE」内に3月23日にオープンした。生カキ「かきむすめ」、比婆牛のステーキなど県産食材にこだわったメニューを提供。seeds(安佐南区)の小野敏史社長と店を切り盛りする。
「広島には歴史があり、おいしい食材も多く、ポテンシャルは高い。県外出身だからこそ分かる、広島の魅力を広く伝える役割を担いたいです」
大阪府出身で日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)に所属し、2010年に引退。以降も食育指導などでスポーツ選手とのつながりを続け、21年にスポーツ関連の仕事で広島に移り住んだ。
「引退後に飲食店を開きたいと考えていましたが、やはり厳しい業界であきらめかけていました。食材のおいしさを保つ冷凍事業を手掛ける小野さんに出会い道が開けました。効率的なオペレーションを実現し、スポーツ選手のセカンドキャリアのモデルケースになることも、この店の目標です」
約800本のウイスキーと、フルーツカクテルをメインに提供。22歳の時に、歓楽街の駐車場の一角を間借りしてタクシーや代行を待つ人向けに始めた。当初は酒は苦手で知識もなく、昼に派遣の仕事をしながら、バーテンダースクールに通い試行錯誤する日々を送った。
「特にウイスキーは何を飲んでもしっくりこない。それでもあらゆる酒を試飲し続けて、ある日、独特の蜂蜜の風味が特徴のバルウェニーを飲んだとき、初めておいしいと感動。バラバラのピースがカチッとはまった瞬間でした」
それからこの世界にはまって、蒸留所を巡り、国内外の作り手に会いに行った。4月はカリブ海マルティニークを巡り、ラム酒を取り扱う予定。
「ウイスキーの中には熟成に50年以上かかるものもあり、完成前に引退する職人も。手塩にかけて育てたものを次の世代につなぎ、託していく。そんな世界観に引かれました」
珍しい銘柄を求めて、ウイスキー好きが県外、海外からも集う。蒸留所について語らう時間が至福の時だという。
建築設計事務所のサポーズデザインオフィス(中区猫屋町)が経営。昨年9月に開いたオフィス、飲食、サウナなどの複合施設「猫屋町ビルヂング」内に入り、「社員+社会の食堂」をテーマに旬や地域の食材を活用し、栄養バランスに配慮したメニューをそろえる。看板メニューの「ねこやプレート」は日替わりの2種類のメインともち麦ご飯に、野菜のへたなどでだしを取るスープが付き、女性客が多い。東京の系列店で経験を積み、開店に合わせ来広した吾妻尚美店長は、
「長いもとクリームチーズを使う春巻きなど一工夫加えたつまみも人気。自家製シロップを使うノンアルドリンクや鍋などサウナ後に合う『サ飯』もあります。フレンドリーな接客を通して、また来たくなる店を目指します」
2次会のケータリング依頼なども増え、手応えを感じているという。
「今後は地域の事業者と連携したイベントなどを積極的に開き、天候の悪い日や休日も人通りの絶えない、活気のある町にするのが目標です」